夕飯の後片付けをしていたら、
「ああ、そうだ」

ソファーに座ってテレビを見ていた支社長が思い出したと言うように、ソファーから腰をあげた。

何かやることを思い出したのだろうか?

自室へと足を向かわせる支社長の後ろ姿を見ながら、乾いたタオルで洗ったばかりの皿を拭いていた。

食器を棚に片づけていたら、
「もう少しで終わりそうか?」

支社長が声をかけてきた。

「はい、終わります」

わたしは返事をすると、食器を全て片づけた。

支社長に視線を向けると、
「はい」

そう言って彼はピンク色の箱をわたしに差し出してきた。

「…何ですか、これ?」

差し出された理由がよくわからなくて、わたしは支社長に聞いた。