『お母さんどうしたの…』



お母さんの様子は明らかに変だった。



今にもあたしに悪魔のような言葉を投げつけるようで、怖かった。



お母さんは、声にならない声をあたしに向かって投げた。



「私の子よ…亮…亮…」



お母さんは目から涙をボロボロと零しながら写真を胸に抱えた。



あたしはなんにも言えなくて、ただ今置かれた状況を理解する事さえ出来なかった。



あたしと、亮が兄弟。



じゃあ、亮のお父さんは、あたしのお父さんなの?



上手く頭が回らない。



お母さんは泣き続けたままだし、でもなぜかあたしは冷静だった。





_