「まずは那柚ね、とりあえずこの五種類の資料を300部印刷して。それから、とじる。」



『げ〜罰ってそんなやつ!?』



「あなたが授業をまともに受けないから悪いんでしょう」



『はいはい、』




あたしは渋々立ち上がり、重い足取りで印刷室へ向かった。



「はあ…次からはちゃんと授業受けようかな…」



―トントン、



『失礼します、』



印刷室のドアを開けると、保体の先生がいた。



てか、優李のお姉ちゃん?



「あ、那柚ちゃん☆」



あの一件があってから、高木先生は優しい。



「この資料、300部ずつ印刷だって〜」



だからあたしも友達みたいに話しかけるし、高木先生からもよく話しかけられる。



「300部っ!!」
「300部。」



驚いて繰り返す高木先生とは対照的にあたしは冷静に‘300部'と返していた。





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