「れいなの資料ちょーだい」



『重かったよー?』



「ありがとー!!助かったわ」



『じゃあ、怒られようかな』



「れいなは委員会頑張るよ」



そんな他愛の無い会話をしつつ、ほんのりコーヒーの匂いが香る職員室へと一歩踏み出した。



「失礼しまーす、先生、来たよー!!せーんーせー?」



少し呆れたような表情で生徒指導室から出てくる先生と…後ろには、優李?



「高木くん、またそんな格好して。ピアスもあけてるみたいだし。」



先生は数学の教師でもあって、生活指導担当でもあるみたい。


一生懸命、優李に注意してるんだけど、優李は知らん顔。



先生の顔も見ないで、ただ時計を見てるだけ。



「高木くん、うちの学校はそんなに校則厳しくないはずよ?」


「はい、分かったので早く部活に行かせて下さい。」



“行かせて下さい”なんて口では言ってるけど、顔は全く反省してない。



むしろ、先生を睨みつけてるみたいだった。



「そうね、行きたいでしょう」



「はい、早くして?」



ついにはタメ語か?!



「今日は反省文を書いてもらうわ」



「…ちっ…」



ついには舌打ちかあっー



怖いなあって、ビクビクしつつも先生と優李の会話に聞き入ってたあたしは、先生に用事を言うの忘れてた。





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