てかあなた、優李ってゆうんだ…。



『優李…』



あたしは無意識に優李を呼んでしまった。



「ちょっと那柚ちゃん聞いてるの?」



なかなか返事をしないあたしに、先生はしびれを切らして問いかけてくる。



つか…修羅場?



「ねーちゃんうっせーよ!!」



不意に彼…優李が発した言葉。


ねーちゃん…?



不安でグラグラしてた気持ちが安定してくる。



それと同時に涙も溢れる。



「どした?!那柚ちゃん?」



『…っぐす…ねーちゃんって』



あたしは、なんか一人で空回ってたみたいだね。



恥ずかしいなあーって、思ってるの。



でも、でもね…今、すごい嬉しいの。



なんでか分かる…?



…あなたが…優李が好きだからだよ。



あたしは心の中でそう呟いた。


でもこれは叶わない恋だから。




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