毎日、人一倍自分の顔を気にして、直してるあたしが、街中でこんな無様な格好で泣き崩れているんだよ。



ねえ、あたしの気持ちの大きさ分かるでしょ…?



今にもあたしは押しつぶされてしまいそうなの。



「ネエ…?」



涙を拭う事もせず声のする方へと視線を向ける。



その相手を見た瞬間、うるうるとした瞳からはまた、大粒の涙が零れ落ちた。



「明日会う、って約束だったでしょ…?」



クリクリと茶色い髪の襟足をいじる。



それに、頬は少し赤く色づいていて、彼の魅力を一層引き立たせていた。



「なんで泣いてんの」



俯くあたしを下から覗き込む。



「悲しいの辛いの苦しいの?」「あーおなか痛いの?」
「あっ分かった!転んだ?」



彼は一生懸命あたしに涙の理由を問いかける。



クールな彼の顔からは想像できない言葉たち。



必死に話しかける彼を見て、ブルーでズタズタになった心はふっくらと回復し、ピンクに色づき始めた。





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