「だれ?」



彼は私を凝視する。



目、鼻、唇、髪、胸、ウエスト、おしり、足。



『那柚です。』



あたし何素直に答えてるんだ?



「那柚ちゃん、かわい〜」



彼はあたしの胸の間に顔を埋める。小さい子供みたいで、そして何よりかわいくて、急に愛しくなった。



ぎゅっ、と力を入れて抱き締めてみる。



まるであたしを癒してくれるものがちゃんとあるのかと確認するように。



彼は、苦しそうにしながらもあたしを離さない。



むしろ、力を入れ直す始末だ。



「おっぱい、おっき…」



彼はぼそっと大きな独り言を言うと、左手をソロソロと私の左胸に当てる。