☆気まずい関係



「ハニー、おはよ!」


朝から所構わず大声であたしを呼ぶ。



あたしはあんたと付き合うって言ってないし。



『ん、おはよお』



下がりめなテンションを無理矢理隠そうとあからさまに無理した態度を取ってしまった。



嫌な感じしたかな―?



「ハニー、機嫌悪い?」



いいからハニーはヤメロ。



『ん、んなことないけど保健室行くね。分かんないけどダルくてさ。』



「大丈夫?ハニー。送るよ。」


別に一人で行けますけど。



そう言いたい気持ちをギュウギュウと踏みつけて抑える。



『ん、頼むね。』



―ガラガラガラ



保健室は、消毒液の独特なにおいがする。静まり返った保健室には、誰もいないことがわかった。



「失礼します。」



二人同時に言ったけど、“もう大丈夫だから智は行って”
と、智を廊下に押し戻す。



しゅん、と悲しい顔を見せてから、分かったと居なくなった。


真っ白なシーツはシワ一つ無く、ピン、と張っていた。


静かに腰を下ろし、ベットに身を預ければ自分までも真っ白になれる気がした。


知らない間に私は寝ていたみたい。





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