「ただいま、母さん。そんなにはしゃがなくてもここまで来て逃げはしませんよ。」

そう苦笑して答えた守さん


え?綺麗なお姉さんに見えるこの女性が守さんのお母さん???


「洋子、あの人が僕の母だ。正真正銘実母だよ。」

「洋子ちゃんって言うのね!初めまして、守の母で志保と言います。さ、入ってちょうだい。」


そう言って玄関ドアを開けて迎えてくれる志保さん。

どう考えてもお姉さんにしか見えなかったよ???

ビックリしているのは伝わったんだろう

「母は僕を19歳で産んだからね。こんな大きな息子が居るようには見えないだろう?」

クスクス笑って言う。

だって、32歳の守さんと兄弟に間違えちゃうくらい若々しいなんて思わなかったから。


「ほら、早くいらっしゃい!」

急かされ2人で歩き出した。
玄関に入るとそこすら広い玄関ホール近くには螺旋階段が見えている。


「おかえりなさいませ、守様。」

「あぁ、森谷も久しぶりだが元気そうだな。」
「おかげさまで。サロンにお茶を御用意しております。」

「ありがとう。こちら秋野洋子さん。僕の大切な人。いずれ細井洋子になるからよろしく頼むよ。」

「かしこまりました。」

お辞儀して見送ってくれた森谷さん。


少し歩いた先の扉でお母さんが待っていた。