「もしもし。こんな休日の朝に電話してくるなんて珍しいですね母さん。」

なんと電話の相手は守さんのお母さんらしい。


「は?いや、やっと掴まえたばかりなのにそんな・・・。いや、そういう事ではなくてですね。」

なにやら困り始めた守さん。

こんなに、困惑しているのは初めて見る。

「いや、それは困ります。来られるくらいなら都合をつけて今度こちらから伺いますから。」


「は?急すぎるでしょう?!っ・・・。なんで知ってるんですか…。はぁ、今聞きますから少し待ってください。」

ものすごいため息をついた守さんが私を振り返りスマホの通話口を押さえて言った


「洋子、ごめん。今日は服や学用品など明日から困らないように買い物にまた行こうと思ってたんだが・・・」

「お母さんから何か言われましたか?」


「何故か洋子がここに居る事を知って彼女が出来たのなら顔を見せに連れて来い、来ないならこちらに来ると言っていて・・・」

ほとほと困ったという顔をして言う守さん。


「こうなった母は有言実行するのでこちらから行ったほうが楽なんだ。すまないが実家に行って顔を見せてから買い物に行こう。」


えーっとつまり・・・

なにやら交際1日目でアクシデントから同居生活になり、2日目でなんと御両親と顔合わせする事になったみたい。


私、大丈夫かな・・・
不安に思いながらも、申し訳なさそうな守さんを見れば仕方ないと思えるので

「分かりました。私も守さんのお家でお世話になるんですしご挨拶に伺った方がいいと思いますし。行きましょう?」

そう言うと

「ごめん、洋子。ありがとう」

そういってぎゅーって抱きしめてくれた。