「守さん・・・。住むとこも、必要な物もみんな燃えちゃいましたね。」

そう呟くと


「洋子、下宿の大家さんに話して今日から僕の家においで。」

そう真剣な顔で言う守さんに

「そんな・・・、迷惑かけられ」

「迷惑なんかじゃない!洋子が大変な時に何も出来ない方が苦しいくらいなんだ。甘えていいんだ!だから僕の所においで。」

ギュッと抱きしめながら全てをいう前に言ってくれた守さんの胸に私も頬をギュッと押し付ける。

そして顔を上げて守さんを見つめながら言う

「本当に甘えちゃっていいの?」

きっと私の顔は迷った迷子の子どもみたいな顔をしてる

守さんがそんな私の頬に手を添えて

「元々早いうちに結婚して一緒に暮らしたいと思っていたんだよ?洋子がこんなにすぐ僕の所に来てくれるなんて、こんな状況でなければかなり喜んでるところだ。」

優しく微笑んでくれるから、私はその優しさに甘えることにした。


「守さん、よろしくお願いします。」

そう微笑んで告げると


「もちろん。さ、大家さんに話に行こう。」


そうしてその場に駆け付けていた下宿の大家さんに無事である事と、今後は隣に居る彼の所に厄介になるので大丈夫だと伝える。

すると、ホッとした顔をしてくれて火事が落ち着いたら連絡してくれる事になった。
何か大切な物とかも残ってるかもしれないからと。

それを聞いて了承して、現場を離れて再び守さんの車に乗りこんだ。