「秋野さんには、はっきり言わないと伝わらないだろうから言うね。君に年甲斐もなく一目惚れしてしまったんだ。良ければ付き合ってくれないか?結婚を前提に。」


ん?
今なんとおっしゃったのでしょうか?


「あぁ、唐突すぎたかな?現状が飲み込めてなさそうだね」

くすくすと笑っている社長はとても落ち着いているが、何かはっきり伝えたれたからだろうか目線に熱を感じる。


「えーと、なぜ私なんでしょう?社長なら女性が放っておかないと思うのですが・・・」

気まずさと照れから思わず視線を外しつつ言うと


「まぁ、この肩書きに釣られるようなタイプばかりだから少々うんざりはしていたんだ。そんな中で真面目に働く可愛い秋野さんを見てると心が温まるし、頑張り屋の君を支えて寄り添える相手になりたいと思ったんだ。」


そう穏やかな声で言う社長はまたその声に合う穏やかに微笑んだ表情でこちらを見る。
でも、その目は真剣で少し不安そうだった。


「私、結構自分の事でいっぱいで・・・。誰かと付き合ったこともなくて・・・。だからどう社長に答えたらいいのか正直分かりません。」

だから私も正直に今の気持ちを伝えた。

「今日一緒にこうして食事に来てみてどうだった?嫌だったろうか?」


そう聞かれて

「驚きはしましたが嫌ではありません。」

そう言うとその目に安堵の色が広がり憂いのない穏やかな笑顔を向けられた。


「なら、まずは一緒に居ることに慣れてほしい。週末に一緒に出掛けよう。どこか行きたい所はあるか?」

いきなりデートって事??

「デートをした事がないのでよく分かりません。」

わたわたと落ち着きなく答える

「秋野さんが行きたい所で良いんだ。何かないか?」


そう聞かれて思いついたのは


「水族館に行きたいです。」

そう言うと

「では、今週末は一緒に水族館に行こう。」

こうして週末に告白してきた社長と水族館に行くことになりました。