置かれたパスタは魚介入のトマトスープパスタ。

ちょっと寒くなってきた今の時期丁度いい感じの温かくて美味しそうな匂いがしている。


「まずは食べようか?」

「はい、いただきます。」

そうして食べ始めると、美味しいのなんのって。
付け合せのサラダも美味しい。

外食なんて随分久しぶりで、なかなか食べられない美味しい食事についつい頬が緩んでしまう。

「どうやら気に入ってくれたみたいだね。」

その言葉に顔を上げると社長がにこにこと微笑んでいて、見つめられていた事に気づく。


「はい、すっごく美味しいです!」

もはや単純な私は美味しい料理に心奪われ顔は緩みっぱなしだったので、そのままにこにこと返事をしたら


「すっごく可愛い」


顔を真っ赤にした社長が居たので

「社長、顔赤いですけど体調悪かったですか?無理させてしまいましたか??」


ちょっと慌てて聞くと

「いや、大丈夫だよ。ごめんね、心配かけて。」

「うん、秋野さんはちょっと鈍感とかニブイって言われない?」


「えーと、確かに桜さんや慎吾くんには鈍感娘ね。これじゃ当分相手が出来ないわね。って言われた事はありますけど。」

こめかみに指を当てつつそう、答えると


「やっぱりそうか。」

むむ、まさか社長にまで同意されてしまうとは。