「 他に付き合ってる人がいるんだ。だから、別れよう。」

土砂降りの雨の中それだけ言って、彼はぎこちない顔を浮かべた。

(ドッキリ‥‥‥‥だよね?)

私は少し下を向いてから、もう1度彼の顔を見た。

すると彼は少し明るい口調で言った。

「大丈夫だよ。俺の本当のパートナーが美琴じゃなかったってだけだから。」

私は思わず、彼からもらった傘を落としてしまった。

(なにそれ‥‥意味わかんない。)

「傘ちゃんとささないと、風邪ひくよ。それじゃ。」

どんどん降り続く雨の中、私は傘を落としたまま立ち尽くすことしかできなかった。


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朝霧美琴職業会社員。処女。24歳の誕生日、彼氏に振られました_______________。