「っ。」
「こっちおいでよ。」
「嫌だ。」
私はもう完全に新良くんにハマってしまっている。
でも、そのベットに行くのは嫌だ。
だって、さっきまで違う女の子とそのベットで寝てたから。
「あかり?おいで?」
その声に私は甘いのだろうか。
体が動いてしまった。
「朱里が、俺の目の前にいる。」
「そうだね。」
「...。」
えっ!?
無言?
ちょっとは、返そーよ。
不思議な人だなー。
ボスっ。
ちょっと、一瞬意味がわからなかった。
でも、今私がいるのは、新良くんの胸の中。
「新良くん?どうしたの?」
「抱きしめたくなっただけ。」
もーなによ。
ドキドキするじゃん。
「俺のこと好き?」
「うん。好き。」
「俺も。」
一瞬私が、好きなのかと思ったけど、多分違う。
その、俺もっていうのは、返事みたいなもんなんだと思う。
「あっ。私授業に戻らなくちゃ。」
「もう、授業終わったよ。
今は、登下校の時間。」
「えっ!?
なんだー。」
「朱里は、面白い顔をいっぱいするね。」
っていうか、新良くんなんで授業来ないんだろ。
クラス一緒だよね?
どこの席なんだろ。
新良くんのことを、もっと知りたい。
「新良くん。」
「なに?朱里。」
「新良くんってさ、なんで、授業こないの?なんか、意味あるの?」
「意味なんてないよ。ただ、めんどくさいだけ。」
「そしたら、単位落とすじゃん。」
「大丈夫。」
なにが大丈夫なのか、訳がわからない。
大丈夫じゃないでしょ。
「あ。今、大丈夫じゃないでしょって思ったでしょ。」
私の心が読めるとか、やっぱ、天才だ。
「オモイマシタケド?」
おもわず、カタコトになってしまった。