「いつか話してみたいなーっては思ってたんだけど、なかなか機会がなくてね」
少し照れたように困った顔して笑いながら、マフラーに顔を埋めてる。
こんな顔もするんだ。
初めてみたな。
「だからこうして話せてよかったよ」
「はいっ、私も嬉しいです」
どうか、この夢がいつまでも続きますように―――。
「そういえば、愛美ちゃんは進路は? 進学だよね?」
「はい、進学です」
地元の国立大学に進学したいなーってずっと思ってる。
将来は学校の先生になるのが、私の夢。
「え、そうなんだ」
どうしたんだろ。
先輩が驚いた顔して、私を見下ろしてる。
「先輩?」
「あ、ごめん。
俺さ、そこの大学の教育学部に進学するんだ」
え、そうなの?
それは初めて知った。
部活をしてなかった先輩の進学先はなかなかとまこかなんて情報を得ることは出来なくて。
一緒だったらいいなーって夢見てたことがあったけど。
まさか、私の志望校のとこだったなんて。
「なら1年後、愛美ちゃんが来るの待ってるわ」