高校の時はもっと私に興味を持ってくれていたと思う。

あの時も私に対して塩対応という感じだったけれど、まだ話は聞いてくれたし、もう少し面白そうに聞いてくれた。

あ、既に知っているから?
でも、そしたら言ってくれるはず。

もうしってるよ、って。

私に微笑んでくれないかしら。
好きだよって言ってくれないかしら。

今日は月が本当に綺麗。

雲一つない夜空に星がきらめき、満月を飾っている。

この情景に向かって言ってみようかしら。

本当に自分勝手な考えね。
これじゃあ彼も好きになってはくれないわ。

自嘲気味にふふ、と笑う。

「ねぇ」

いつになく真剣な声で彼が私を呼びかける。


「なぁに?」

振り返ると彼の真剣な眼差しが私を射抜く。
ドキッ

心が高鳴る。