「あぁ、アレ?

あれは正直どうかと思ったけどー
ねぇ?
県大会の決勝で――「何してんの」」

涙が零れ落ちる寸前だった。

「え、なに。
もしかして美桜の彼氏~?」

「爽やか風なイケメンじゃん!

いとこかなんかっしょ!」


「彼氏だよ。

…キミら、美桜と中学の時
同じ部活だった人たち…であってる?」

温かい声が
あたしをつつむ。


「え~、美桜ってば
あたしらのことどんな風に
話したんですか~?」

「…うるさいよ。
今の美桜に、関係ないだろ。

もう行けよ」

隼人のどす黒い声を
初めて聞いた。