聞き覚えのある声が
遠くから、やってくる。

「おねーちゃん?
どうしたの?」

そうたくんと繋ぐ手に
自然と力が入る。


知らないふりをすればいい

ここから立ち去ればいい

それだけなのに


あたしの目線も足も
その場から、動かない。

「あれ」

「…っ!」

「久しぶりじゃーん」

「え?あ、ホントだー
中学以来だね?美桜」

「おねーちゃん、おともだち?」


友達なんかじゃない。