キミの思うような男じゃなくても……?

誰にでも優しいキミ
誰にでもキラキラ笑顔を見せる
キミの気持ちを確かめずにいられない

愛されてるって……
幸せになれるって……
安心したい……

キミはオレの心にさすたったひとつの光
キミがいなければオレの心は死んでしまう
キミはオレだけのものだ
キミは絶対に誰にも渡さない
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奈緖が今日からファミレスでバイトを始めた。バイトが終わる時間は聞いていた。店の外で待っていた。

知らない男と話していた。心が狭いって……分かってるけど……奈緖に言わずにはいられなかった……

「他のやつと笑い合ってるのかと思うと、ムカつく」
「ちが……っ」
「俺が嫉妬してるだけだ……」
「本当に違うの……」
「何が違うんだよ!」
「あのね……からかわれていただけなの……」
「そんなに仲良くなったってことか……」
ますますムカつく
「外にずっと青い服の人がいるってはなしになって、見に行ったら、青い服のヒロだったの……」
「え……」
「からかわれて恥ずかしかったけど、ヒロがきてくれたことがうれしくて……」
嫉妬で黒くなっていた俺の心に、奈緖のはにかんだ顔がつきささった。心臓がどんどん高鳴っていく……嫉妬心が一瞬ではじけて消えてしまう……
「ヒロが嫉妬するなんて思わなかった。ヒロの独占欲初めて知った。」
「嫉妬するに決まってんだろ……」
「ちょっと怖かったけど、嬉しかった」
甘い恋の魔法……奈緖が笑顔を見せると……
「奈緖は、俺だけのものだ……」
「ヒロだって、私だけのものだよ……」
奈緖が心変わりしたらとか考えて不安だった。幸せな今があるのに……まだこない未来を考えて不安だった。この幸せがいつまで続くかなんてわからない。だからこそ今の幸せを大切にしよう。

嫉妬して、奈緖にイヤな思いをさせるなんて、みっともない。みっともなくても、これが俺の本音なんだ。溢れる感情をおさえられなかった。



女なんて掃いて捨てるほどいる
特別な意味なんてない

女なんて誰でもいいと思ってたのに……

彼女のことが気になり始めていた
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大学生の純

もてる……ことは、自覚していた。昔から女が寄ってくるんだ。楽しく遊んで……何人もの女と付き合った。だけど、俺の本当の気持ちなんて、誰も分かってくれなかった。ヤケになって、色んな女で埋めていた。

最初から何も求めない。違う……ちゃんと始まってなかったんだ。本気で好きな人……なんていなかった。誰でもよかったんだ。俺はただ流されてただけだった。そんな時、出会ったのは……

ファミレスでバイト。周りに群がる女……最近新しいバイトの子が入ってきた。だけど、彼女は違う。まるで俺に関心がない……この出会いがもたらすものは?





2人の拙い恋愛が始まった
だけど何をしたらいいのかなんてわからなかった
その先にあるものが何なのかわかっていなかった

わかってるつもりだったけど
本当はわかってなかったのかもしれない
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つきあって……

肩を優しく覆うように抱き寄せられ、顔が近づく……視線が交差し……いつもの彼とは違う……熱が伝わってきて……まっすぐな視線……

だけど、彼を受け入れることができなかった。

「ごめんなさい……」

「あのね……やっぱり付き合うの無理かも……」
「な……なんで?」
「だって、私……」
涙がこぼれる
「俺が嫌いになった?」
ふるふる首をふるしかできなかった。
「奈緖が怖くなくなるまで待つよ。奈緖……ごめんな」




あれからずっと……
彼女のことばっかり考えちゃう
 
あの時……
彼女だったらオレを受け止めてくれると思えた
もう泣かせたりしない
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奈緖と付き合い始めても、本当は俺のことどう思ってんだろう?焦っていたんだ。俺だって、男だし……奈緖と一緒にいるだけじゃ足りない。奈緖の全部がほしくなってる。無理やり俺のものにすれば、俺しか見えなくなる?

奈緖との仲を深めようとして、泣かれた。そして、やっぱり付き合うの無理かもって言われたよ……

なんで、奈緖の気持ちも考えないで……せめて気持ちを伝えられたら……この気持ちを……
「待つよ。」
奈緖には言えない秘密がある。欲情をかくしてる……
「でも……」
「キスはいい?」
「そんなの……聞かないで……」
熱く燃えるみたい……とけてゆく……



簡単に気持ちを変えることなんてできない

彼女を好きなこと
わかってた
それでも見込みあると思ってた

あなたのこと諦められなかった
いつも一緒にいられたらって夢見てた
好きな人と一緒にいられたら幸せなんだらうな

あなたが困るとわかっていたも
気持ちをおさえられなかった

あなたがいれば何もいらないって思った
恋と友達
どちらかを選ばなくてはならないなら……
恋なのかな……

恋も友達も全部なくなった
そして何もなくなった今……
後悔にのたうちまわりながら生きてる

過去の私……消せればいいのに……
私の居場所は……
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世界は私中心に動いてる。ほしいものは何でも手に入ると思っていた。何をなくしても、弘人くんが手に入ればいいと思ってた。

結局、弘人くんは手に入らなかった。そして、友達もみんないなくなった。ううん……違うの……私の悪口が流されてた。でもね……反論もできない。私がやったことなんだもの……学校に私の居場所はどこにもなかった。

これも全部奈緖ちゃんのせい……
鬱憤は、吐き出してスッキリしなきゃ
奈緖ちゃんに
「これも全部、お前のせいだ。お前さえいなければ…」
と、言ってた。
隣にいた彩花ちゃんが……
「奈緖は何も悪くない。全部自分のせいでしょ?」
「違うの……この女がいなければ……」

「あのさ、もうやめろよ。」
いつきたのか、弘人くんもいた。
「だって、コイツをがいるから付き合ってくれないんでしょ?だったら、いなくなったら……」
「お前を好きになることはない。俺が一番嫌いなのは、性格ブスなんだよ。」

「あなたが欲しい物があれば、あげるよ。でもね、ヒロは物じゃないんだよ。あなたが欲しいって言っても渡せない。」

そして、ますます居場所がなくなった。どれだけ後悔しても……

以前ならイラッとしてたと思う
だけど聞き流せた

これは彼女のおかげかもしれない

優しい彼女
彼女の言葉に
オレの心はますます惹かれていく

過去のことより
他の何より
彼女だけを……いつも大切に想ってる
オレにとって一番大切な人……
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また奈緖がイヤなめにあっている。これも、全部俺のせいかと思うと……もどかしい気持ち……

イラッとしてた……こんなことが続くと……奈緖が別れたいって言うかもしれない……

だけど、奈緖が「ヒロは渡せない」って、断言した。
色んなことで不安になっていた俺の心に、奈緖の言葉がキラキラ星のように輝く。

彼女のあったかさに
どこか……彼女を意識していた
惹かれていくのを止められなかった
気付けば好きになっていた

彼女の存在
オレの中でどんどん大きくなっていた
止められないトキメキ

でも踏み出すこともできなかった
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いつも奈緖ちゃんを目で追っている自分に気付く。奈緖ちゃんの姿を見てうれしくなったり、奈緖ちゃんと話すだけで跳び上がりそうなくらいうれしいんだ。この気持ちは……こんな気持ちになるのは、初めてだった。

でも、伝えられない想い……奈緖ちゃんは、彼がいたんだ。

……クソッ……ヤキモチを妬くって、こういう気持ちなのか……アイツよりも先に出会っていたら……振り向いてくれた?

本当の気持ちに気付いた。苦しくて、つぶれてしまいそうになる。

誰にも言えない秘密がある。片想いを隠してる。片想いなんて、初めて……だよ。そして、色んな女と遊ぶのをやめた……気持ちがないのに、一緒にいてもむなしくなるだけだった。

彼が好き
彼に好きになってほしい

望むことはなんでもするよ
ずっと彼を想い続けてる
いつでも隣で彼を見ていたい

望むものは全部手に入れてきたのに
この想いだけは届かない

私は傷ついたりなんかしていない
意地悪な彼に振り回されちゃう
彼から嫌われたら
もう全部どうでもいい

いつも……いつも……
彼の言葉に傷つけられてきた
だけどどうしても忘れられない
忘れられるわけない
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人を愛する気持ちがこんなに激しいなんて知らなかった

魅力が足りないのかなって、自分磨きをしたけど……弘人くんは、私のものにならない。弘人くんの言葉に傷つけられてきたけど、恋は終わらない。

全部どうでもいい……私だけを愛してほしい……誰にもあげない。何がなんでも思い通りにするわ。弘人くんを必ず振り向かせるわ。

何もなかったオレ……
冷えきった心……
キミの笑顔にときめいた

本当はどうしたいんだろう……?

本当の気持ちは隠して……
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いつも1人だった。仕事で家にいない両親。でも、寂しいなんて言えなかった。

女にもてた分、男の友達はいなかった。どんな女とつきあっても、心は満たされなかった。でも、1人はいやだったんだ。付き合ってる子達は、恋じゃない。気持ちがなくても欲情するクズだった。乱れた女性関係を清算した。

しつこく言い寄る女。バイト先に乗り込んできた。

「もう別れたよな。勘違いすんなよ。ったく、しつこいな。」
「私は別れるなんて言ってない。他に女がいても、浮気しても、許してきたじゃない……」
「あのさ、お前は本命じゃない。お前が浮気相手だったんだよ……」
ま……本命もいなかったけどな……

「あんたみたいな男がいるから、泣かされる子がいるのよ。都合のいいことばっか言ってんじゃないわよ。この人に謝りなさいよ。」

「あんたが純の浮気相手なのね。純を返しなさいよ」
と、お前の代わりに怒ってくれた奈緖ちゃんをひっぱたいた。
「そいつは、何の関係もない。それにそいつには付き合ってるヤツがいる。」
「嘘言ってんじゃないわよ。」
「嘘じゃない。」
「じゃー、なんで別れなきゃいけないの?」
「うーん、ちゃんと言わないと……か。好きになれなかったから……」
「だったら、なんで寝たの……よ」
「気持ちがなくても、欲情したから……」
「ふざけんな……バカヤロー……」
そのまま、出て行った。

「俺のせいで、ごめんな……」
「なんであんなこと言ったの?嫌われるために言ったみたい……」
「あそこまで言わなかったら、きっと終わらない。今までみたいに適当に付き合ったら、彼女に申し訳ない。」
「どうしてそこまて……」
「好きな人ができたんだ。今のままじゃ、ダメだと思った。」
「じゃ、その人と付き合うの?」
「付き合わないよ。だけど、今のまま、あの子と付き合えない。付き合えないなら、徹底的に嫌われる。全部俺が悪いんだから……」
「そうだけど、あれはひどいと思う……」
「あれで、次の恋に進めるだろー」
「そうだね……私も、浮気されて別れたけど、次の恋に進めた。」
「アイツも、俺みたいなクズのことなんて早く忘れてくれれば……」

本当の気持ちは、キミには隠して……