離れても忘れることはなかった

いつも助けてくれたのはあなたでした

そんな簡単に好きじゃなくなるなんて信じたくなかった
もう私のことなんて好きじゃないんだ

言い出せない気持ちがもどかしい
全てが思うとおりにいくわけじゃない

これからのこと考えなきゃいけない
だけど……今……少しだけ忘れていい?

これから大人になったら変わってしまうかもしれない
でも今大事なのは……
あなたといられたらそれでいい
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まるで中学のときみたいに、陰口を言われている。心が荒んでいく。あの時、助けてくれたのは奈緖だった。どこかで思ってた奈緖の1番近いのはわたしだって……親友なをだって……やた……やだよ。でも、今は奈緖はいない。

うつむくばかりの日々……

奈緖を見つめる……私の視線に気づいて……だけど、気づいてくれない。美月ちゃんと仲良く話してるのを見て、なんでこんなに苦しい……の……

そんなすぐに忘れらんないよ。ダメなの……奈緖がいないと……奈緖以外の人なんて、どうでもいいの。私って、こんな未練がましい性格だったのか……今は何も考えたくない。今だけ忘れさせて……

そして、心がどんどん荒んでいく……



あの日、絶望の淵から救ってくれた
あなたの言葉……今も忘れない

だけどあなたはいなくなってしまった

私にとってあなたは太陽なの
あなたに出会えたから
私の毎日は幸せだった

ずっとあなたのことばかり考えてる
だからあなたがいない今は辛い
私を捨てない……で

私にはあなたが必要なの
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時間だけが過ぎていく。食欲も減り、夜も眠れない。

そんな日々を過ごして……体育館での集会で倒れてしまった。目がさめたときは、保健室だった。

目の前には、大好きな奈緖がいた。

「彩花……大丈夫。」
「うん……」
「よかった。」
「なんで、奈緖がいるの?」

「彼女が、あなたをここに運んできたのよ……」
保険の先生が言った。
「運んだっていうか……一緒にきただけですよ。運んだのは、ヒロだよ。」
「ありがとう……」
「友達だもの……」
「友達……」
「あ、もう違う……か。迷惑だったよね。ごめんね。私はもう帰るから……じゃ……」
「行かないで……」
「ヒロは、もう部活行ってるから、ヒロに伝えておくから……」

母が迎えにきた。保険の先生と話してる。

迎えにきた母が
「あら、奈緖ちゃんもいたのね。奈緖ちゃんも一緒に帰りましょ……2人とも準備してきてね。」
ナイス……奈緖は断れなかった。

そして、奈緖と一緒に帰った。一緒にいられて、嬉しくてたまらない。私の家についた。
「ママ、奈緖と話したいから、部屋に上がってもらっていい?」
「体調は大丈夫なの?」
「話すだけだから、大丈夫。」
「そう」

奈緖に部屋にきてもらった。

「奈緖、ちゃんと話したいから……」
「ヒロのこと……」
「話すことなんて、ない。私には、2人とも大事だから、2人には幸せになってほしいの。だから、私のことなんて気にしないで……」
私のこと、ちゃんと考えてくれてたんだね。
「奈緖は、勘違いしてる。私はヒロと付き合ってないんだよ。え……でも、噂でも……聞いたし……梨華ちゃんも言って……たよ?」
「本当に付き合ってないの。好きな人はいる。誰かは言えないけど、ヒロじゃないの。中学から仲はいいけど、ヒロのことは好きじゃない。友達以上の気持ちはないの。」
「う……そ……」

ヒロにも、部活が終わったあとにきてもらうことにしてあった。

そして、やっと……絡まった糸が……

「本当に2人は付き合ってない……の?」
「付き合ってない」
2人同時に言った。
「じゃ、何のために……私は2人から離れたの?」
「奈緖が離れて、淋しかった。」
涙がこぼれた。
「ご……ごめん……泣かないで……」
「もう、こんなのイヤだよ。」
「うん……ずっと友達……だよ……」
心が温かくなった。

もう、離さない。

すれ違う3人の想い……

すれ違い……
時は流れ……

オレは心底お前に惚れている

あの日から止まったままだった時間が動き出す
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奈緖が離れてから、サッカーも不調だった。彩花が元気ないのもわかっていた。だけど、彩花のことを気遣ってやる余裕もなかった。

だけど、何もできないまま、時間だけが過ぎていく。

そして、彩花が倒れた。すぐにかけつけたのは、奈緖だった。でも、奈緖じゃ彩花を運べるわけもなく……俺が保健室へ運んだ。あーあ、また彩花と噂になるんだな。

部活があるから、奈緖に任せて、部活に行った。部活が終わって、彩花からのメールに気づいて、彩花の家に行った。そこには、奈緖もいた。

そして、やっと……今までの誤解がとけた。

奈緖と家に歩いて帰る途中
「奈緖、気持ちは……まだ好き……か?」
「うーん……まだ好きっていうか……」
え……気持ちは変わって……
「嫌いになんてなったことないよ。離れてからも、好きだった。」
わかってないと思うけど、その言葉が……奈緖の愛を感じた。
「別れたいって言っても、もう絶対に別れないよ」
俺のことしか考えられなくしてやる。メロメロにしてやる。俺がオレをもう一度選んでくれるなら、もう絶対に離さない。

だけど、奈緖の言葉に呆然とした。
友達として……やり直そう……

別れない以前に、恋人に戻れないってこと……だった。






先のことなんて何も考えてなかった……
あの頃……

一緒にいるだけで楽しかったね
離れてみて気付いた

前に進めない
立ち止まってる弱い私……

すれ違っていたけど
また前のように……
元通り……

だけど心の中では……
壁を感じていた
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彩花とヒロと離れて、淋しかった。

彩花とヒロと話して、もう一度……

だけど、2人との間に壁を感じていた。何もなかったように……元通りには戻れない……と感じていた。

「もう別れない」って、ヒロに言われたけど……自分の気持ち、ちゃんと伝えなきゃ……

「好きだった。だけど、何もなかったようにまた付き合うことはできない。前みたいに友達として……」

そして、途中で別れて、兄と住む部屋に向かう。




喜んでくれるって思ってた

1人で浮かれてばかみたい

何やってんだろう?
何の役にもたってなかったんだ
バカみたい
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彩花ちゃんは、私を必要としてくれるって思ってた。彩花ちゃんと広戸くんが付き合えるようにしてあげたら、きっと喜んでくれるって思ってた。

弘人くんが奈緖ちゃんが別れて、彩花ちゃんと弘人くんが付き合い始めたって、噂も流した。うまくいったと思って、喜んでいた。

だけど、そのせいで弘人くんのファンがマネージャーに殺到し、彩花ちゃんがマネージャーを辞めた。噂のせいで、彩花ちゃんが嫌がらせを受けていることに気付いたけど、何もできなかった。彩花ちゃんから描いてが消えていく。彩花ちゃんに話しかけても、上の空……

弘人くんとは付き合ってないし、奈緖ちゃんに余計なことを言うのはやめてと、言われた。なんで?私は彩花ちゃんのために……

近くにいるのに、遠い人……なんで私……こんなにイライラしてるんだろう?

彩花ちゃんは、私と話してくれなくなった。いつも、奈緖ちゃんのところにいってしまう……なんで……私じゃダメなの?
何かの間違いだって思いたかった

あれから避けられている気がする
不安でどうにかなりそう
だけど失うのがこわくて

恋人になれなくても
オレだけの人じゃなくても
振り向いてもらえなくても
好きでいたい
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誤解がとけたら、やり直せると信じていた。だけど、あの日……あの瞬間から……奈緖に避けられてる気がする。彩花とは、前のように仲良くしているのに……

必死に気持ちをおさえてるのも知らないで……俺の前を素通りした。それでも、奈緖のことが好き……どんなにつらくても、好きでいたい。


キミに笑いかけられると
ドキドキが止まらなくなる

あの日から……
キミを思い出すだけでドキドキする

好きな人……
なかなか恋にならない

ずっと胸に秘めた想い……
切なくて……

キミのことを忘れた日は一日もない
オレだけの人であってほしい
キミを想う気持ちは止められない
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まぶしいくらいの空の下……隣の席の奈緖と話しをしていた野崎。

奈緖ちゃんの笑顔を見るだけで、幸せな気分になれる。

だけど、失うのが恐くて……でも、このまま諦めるなんてできない。きっと、後悔するから……大事なのは、一緒にいたい気持ちだ。

奈緖ちゃんが、サッカー部のヤツと別れたと聞いた。

気持ちを伝えたい。だけど、今の関係を壊したくない。それでも、あなたを想う気持ちは止められない。



彼女を失ってから願ったのはたったひとつだけ
俺はお前といたいんだ

彼女がいなければ意味がない

忘れようとして心についた傷
癒えることはなく
心は血を流し続ける

諦めようと思っても
諦められなかった

諦めれば楽になれる
だけど諦めなければ
これからいくらでも時間があるから
一歩ずつ前に進もう
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友達としてやり直そう……だけど、奈緖から話しかけてくることはなくなっていた。俺が話しかけても、挨拶程度で……

話したいよ。話したくて死にそう。今すぐ話したいよ。一人きりだと、時間が過ぎていくのが長すぎた。

大好きな奈緖は、そんなに俺のことを好きじゃないのかもしれない。考えただけで胃が痛くなる。

奈緖は毎日楽しそうに笑っていて、他の男と話してる。あの男の目が語ってる。奈緖のことを好きだって……中学の時も、奈緖を好きなヤツは結構いた。奈緖は全然気づいてなかったけど……でも、俺が奈緖の隣にいたから、奈緖に告ってくるヤツはいなかった……

奈緖から離れた今……どうしても、もう一度奈緖と付き合いたかった。なりふりなんかかまってられなかった。

奈緖の気持ちがどうだって、俺の気持ちは変わらない。片想い同然でもかまわない。俺が奈緖を大好きなんだから……俺はこれからも奈緖といたい。

奈緖の手を強引につかんで連れ出した。もう一度告白した。

奈緖は、自分のことをかわいくない……もてない……って思ってるけど、絶対にかわいい。でも、俺だけが知ってればいい。俺だけが……

奈緖が「う……うん」って言ってくれた。

何があっても、もう絶対に別れないから……離れるなんて絶対に無理。奈緖がいない毎日なんて考えられないんだよ。ずっと一緒にいてくれなきゃ……何よりも誰よりも愛おしくて……



あなたは優しくて
あなたと一緒だと楽しくて
毎日幸せだったあの頃……

ずっと一緒にいられると
この幸せがずっと続くと夢見ていた
永遠を夢見ていたあの頃……

永遠はどこにもない
気付いた現実は……
未来に何ひとつ期待しちゃいけないってわかった

心の中は凍りついていてもまだ笑える
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子供の頃から、ヒロといるのが当たり前だった。ヒロがいるのが当たり前で、当然だと思っていた。でも、絶対じゃない。ヒロと別れてから、ヒロと話していると……周りの視線を感じた。友達にも戻れないと感じた。

奈緖からヒロに話しかけることはなくなっていた。たまにヒロから話しかけられても、挨拶程度で……

そんな日々が続き、このまま終わると思っていた。

そんな意気地なしの私の手を強引につかんで、連れ出したヒロ。
「どうしてなんだ?なんで俺を捨てる?」
「捨ててなんか……ヒロに私じゃふさわしくないんじゃないかって……」
「俺がいつそんなことを言った?」
「みんなが……」
「他のヤツなんて関係ない。奈緖は俺にはかわいい女の子なんだ。ずっと……」
「そんなこと言うのは、ヒロだけだよ」
「そのままの奈緖が好きだよ。他の女じゃダメなんだ。俺は一生大事にする。ずっと奈緖だけを見てる。俺と付き合えよ。」
「う……うん……」
ヒロの幸せのために、終わらせるべきだと思っていた。だけど、私が思うより、ヒロに愛されてるのかもしれない。

だけど、前のような気持ちでこたえられなかった。近いけど、遠い人……