後悔ばかりの恋……
失って初めて気付いた

好きだけど
確かな約束は何もない

俺は独占欲が強い
毎日でも会いたくなる
だからできるだけ自分をおさえていた
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奈緖がマネージャーになったら、ずっといられると思っていた。だけど、ほとんど話せない。俺は独占欲が強いから、いつも話してる美月ちゃんにすら、嫉妬していたんだ。だけど、自分をおさえていた。

急にマネージャーを辞めた奈緖。気になって、話しをしたいと連絡した。図書委員と彩花がマネージャーになったことが原因だとわかった。だけど、そのあとの展開は思い出したくもない。別れを告げられるなんて……


あなたのおかげで
私はここにいるよ

1番近くであなたをずっと見ていた

時は流れ……
すれ違い……
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奈緖ともっと一緒にいられると思っていた。だけど、ほとんど話せない。何のためにマネージャーになったの?イライラする毎日。

そして、急にマネージャーをやめるなんて……

夜、連絡をすると、ヒロと別れたことを聞いた。友達でいるの辛いよ……って……

本当の気持ちを隠して、友達でいるのを選んだのに……友達ですらいられなくなるなんて……



何もなかったことになればいい……

彼女との繋がりが消えてしまう……

彼女がいなくなってしまったら
本当におかしくなってしまいそう……

それほど彼女が……大切なの……

手を伸ばせば届いていたかもしれないって
後で後悔したくない
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昨日の奈緖からのメール信じたくなかった。

今、何もしないで後悔したくないから、学校行く前に奈緖に会いに行った。

どうして?ヒロと付き合っていい……なんて言うの?私が好きでどうしようもないのは、奈緖なのに……ずっと奈緖を追いかけてるだけだった。私の気持ちを伝えたら、もしかしたら……だけど告白なんかできるわけない

奈緖が離れるなんて、イヤだよ。離れて行かないで……

「私は奈緖が好き……だよ。」
「ごめん。無理……何もなかったように、今まで通りになんてできない。」
わかんない。どうして……?拒絶されたんだ。

そのまま、部屋に入ってしまった。届かない想いに涙が出る。

そして、部屋から出てきたヒロに会う。奈緖の部屋の前で泣いてる私にびっくりしていたんだ。だけど、ヒロの部屋に入れてくれた。涙が止まるまで、頭をポンポンしてくれた。

こんな気持ちのまま、学校に行けるわけもなく、家に帰った。休んでる間に、奈緖とヒロが別れて、私とヒロが付き合ってると、噂になってることなんて知らなかった

一生に一度の恋
ずっと彼女といたかった

淋しくてたまらない
それなのに彼女はもういない
もう……どうしていいかわからない

もうハッピーエンドなんて望めない
でも……でも……もし今……
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学校に行く前に奈緖と話しをしようと思った。奈緖の部屋に行こうと、家を出ると……そこにいたのは、奈緖の部屋の前で泣いてる彩花だった。そのままにしておくこともできなくて、泣いてる彩花を部屋に入れて、泣きやむのを待っていた。泣きやんだ彩花は、家に帰っていった。

それから、奈緖の部屋に行った。だけど、出てきたのは奈緖じゃなかった。奈緖の兄、真央だった。

「俺の大事な妹を泣かせるな……」
「奈緖と話しをさせて……」
「彩花ちゃんを部屋に入れておいて……ふざけんな」

結局、奈緖に会えないまま、学校に行った。彩花は休みだった。そして、俺と奈緖と彩花の噂が流れていた。

お前への想いは叶わなかったけど……

お前を絶対に幸せにする
だからオレといてくれよ

今は何も考えたくない
頭をからっぽにして……
心のままに……
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奈緖がヒロと別れたことを知った。それも友達の彩花ちゃんと浮気なんて……

昨日の夜、奈緖の部屋から押し殺した泣き声が聞こえてきた。

ヒロが会いにきたけど、追い返した。

隣の部屋に住むヒロ。会いたくなくても、奈緖は顔をあわせる。このままじゃ……奈緖がかわいそうだ。奈緖を守れるのは、俺しかいないって思った。

「奈緖、もう無理すんなよ。家を出て、俺と暮らさないか?」
「でも、真央……ホームシックで戻ってきたんでしょ?」
「あのさ、外食ばっかり食べてたら、栄養バランス崩れて、蕁麻疹がでて……家に戻ってきたんだよ。母さんに聞けばわかるよ。奈緖がご飯作ってくれれば大丈夫。」
「料理好きだから、それは大丈夫だけど……」
奈緖が幸せなら、それでよかった。だけど、あんな奴には渡せない。

母さんに事情を話した。前に住んでいた部屋はそのままになっていたので、奈緖のものだけ運んだ。


このまま付き合って幸せになれる?
愛がないならそんなわけない
恋してたのは私だけ
あなたの心は離れていたんだね

後戻り……できないの……ね

その辛さを忘れるために……
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彩花が会いにきた。でも、何もなかったように、今まで通りになんてできない……部屋に戻った。玄関のドアののぞき穴から、見ていた。彩花が泣いている。どうしよう……そして、ヒロが部屋から出てきて、彩花を部屋に入れた。決定的だね。

その後、ヒロがきたけど、出て行かなかった。真央が出て行って、ヒロと話しているのが聞こえてきた。さっきのやりとり聞いていたんだ……ぼんやりと聞いていた

これから、どうしよう……ヒロにも、彩花にも会いたくない。

結局真央と暮らすことになり、必要なものだけ持って、家を出た。

そんなこんなで、今日は学校を休んだ。

心配した美月ちゃんから、電話がきた。今朝のこと、兄と暮らすことになって、バタバタしていて、学校を休んだことを話した。そして、ヒロと別れたことと、彩花とヒロが付き合ってることがもう噂になっていることを聞いた。噂……だけど、事実だから何も言えないね。

「美月ちゃん、心配かけてごめんね。マルの時も、今回も……」
「そんなの、奈緖ちゃんが悪いわけじゃないんだから、奈緖ちゃんが気にすることないよ。」
「うん、ありがとう。」
「明日は学校くるんでしょ?」
「うん、行くよ」
真央と美月ちゃんがいてくれて、よかった。

そんな簡単に気持ちが変わるわけじゃない

私にはあなただけでした

恋よりも……愛よりも……何よりも……自分よりも……
1番大事なのは……あなたでした

だけど今あなたは……いない
私は何のために生きてるの?
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奈緖が離れていった。

学校に行けば、私達の噂で……

廊下で奈緖を見かけた。私を見ることもなく、私の前を素通りした。ずっと下ばかり見ていた。ただぼんやりと一日を過ごした。梨華ちゃんが話しかけてくるけど、何も頭に入ってこない。

奈緖……私のところに戻ってきて……奈緖のことが好き。奈緖だけが好き。だから、私のそばにいて……

周りの言葉も、噂も……全てどうでもよかった。奈緖がいなくなってしまったら、私は何のために生きてるのかわからない。

サッカー部のマネージャーになりたい人が何人もきた。だから、私はマネージャーをやめた。奈緖のいないマネージャーに何の意味もないから……

離れても忘れることはなかった

いつも助けてくれたのはあなたでした

そんな簡単に好きじゃなくなるなんて信じたくなかった
もう私のことなんて好きじゃないんだ

言い出せない気持ちがもどかしい
全てが思うとおりにいくわけじゃない

これからのこと考えなきゃいけない
だけど……今……少しだけ忘れていい?

これから大人になったら変わってしまうかもしれない
でも今大事なのは……
あなたといられたらそれでいい
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まるで中学のときみたいに、陰口を言われている。心が荒んでいく。あの時、助けてくれたのは奈緖だった。どこかで思ってた奈緖の1番近いのはわたしだって……親友なをだって……やた……やだよ。でも、今は奈緖はいない。

うつむくばかりの日々……

奈緖を見つめる……私の視線に気づいて……だけど、気づいてくれない。美月ちゃんと仲良く話してるのを見て、なんでこんなに苦しい……の……

そんなすぐに忘れらんないよ。ダメなの……奈緖がいないと……奈緖以外の人なんて、どうでもいいの。私って、こんな未練がましい性格だったのか……今は何も考えたくない。今だけ忘れさせて……

そして、心がどんどん荒んでいく……



あの日、絶望の淵から救ってくれた
あなたの言葉……今も忘れない

だけどあなたはいなくなってしまった

私にとってあなたは太陽なの
あなたに出会えたから
私の毎日は幸せだった

ずっとあなたのことばかり考えてる
だからあなたがいない今は辛い
私を捨てない……で

私にはあなたが必要なの
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時間だけが過ぎていく。食欲も減り、夜も眠れない。

そんな日々を過ごして……体育館での集会で倒れてしまった。目がさめたときは、保健室だった。

目の前には、大好きな奈緖がいた。

「彩花……大丈夫。」
「うん……」
「よかった。」
「なんで、奈緖がいるの?」

「彼女が、あなたをここに運んできたのよ……」
保険の先生が言った。
「運んだっていうか……一緒にきただけですよ。運んだのは、ヒロだよ。」
「ありがとう……」
「友達だもの……」
「友達……」
「あ、もう違う……か。迷惑だったよね。ごめんね。私はもう帰るから……じゃ……」
「行かないで……」
「ヒロは、もう部活行ってるから、ヒロに伝えておくから……」

母が迎えにきた。保険の先生と話してる。

迎えにきた母が
「あら、奈緖ちゃんもいたのね。奈緖ちゃんも一緒に帰りましょ……2人とも準備してきてね。」
ナイス……奈緖は断れなかった。

そして、奈緖と一緒に帰った。一緒にいられて、嬉しくてたまらない。私の家についた。
「ママ、奈緖と話したいから、部屋に上がってもらっていい?」
「体調は大丈夫なの?」
「話すだけだから、大丈夫。」
「そう」

奈緖に部屋にきてもらった。

「奈緖、ちゃんと話したいから……」
「ヒロのこと……」
「話すことなんて、ない。私には、2人とも大事だから、2人には幸せになってほしいの。だから、私のことなんて気にしないで……」
私のこと、ちゃんと考えてくれてたんだね。
「奈緖は、勘違いしてる。私はヒロと付き合ってないんだよ。え……でも、噂でも……聞いたし……梨華ちゃんも言って……たよ?」
「本当に付き合ってないの。好きな人はいる。誰かは言えないけど、ヒロじゃないの。中学から仲はいいけど、ヒロのことは好きじゃない。友達以上の気持ちはないの。」
「う……そ……」

ヒロにも、部活が終わったあとにきてもらうことにしてあった。

そして、やっと……絡まった糸が……

「本当に2人は付き合ってない……の?」
「付き合ってない」
2人同時に言った。
「じゃ、何のために……私は2人から離れたの?」
「奈緖が離れて、淋しかった。」
涙がこぼれた。
「ご……ごめん……泣かないで……」
「もう、こんなのイヤだよ。」
「うん……ずっと友達……だよ……」
心が温かくなった。

もう、離さない。