見た目が恐くて誰もが避けていた

でも本当は優しい人
優しさが伝わってくる

私は直感を信じる
_________________________________________
クラスメートの野崎くん、クールで冷たいってみんなから恐がられていたけど、イケメンで、氷の王子って言われてる人だった。

階段からおちかけた私を助けてくれた。抱きとめられたまま……ち……近くない?「大丈夫?」低い声が耳に響いて……ドキドキする「ありがとう。」

恐い人だと思ってたけど、優しい人だった。






キミといられて嬉しすぎて
気持ちを抑える自信がない

もっといろんなキミが見たいな

キミの言葉に幸せすぎて
胸が苦しくなった
この幸せな時間が終わってほしくない
_________________________________________
目つきが鋭いせい?いつも恐がられていた

高校に入ってからも、変わらない

でも、そんな俺を……
「野崎くんは、優しいよね……」
そんなこと言われたのは初めてだった。

ずっと一緒にいられたらって……思った。奈緖ちゃんはズルいよ。どうして、俺の欲しかった言葉をくれるの?
「俺、優しくなんか……」
「そんなことないよ。困ってる私をいつも助けてくれて、優しいよ。」




八方美人を演じていた
嫌われるのがこわくて……

それでも何かをどこかで期待してた

あなたといると心地いいな……

何も望んでない
それが私の人生だと思っていた

ここから私を連れ去って……
あなたに出会えた奇跡を逃したくない
_________________________________________
高校に入って、クラスメートに誘われてサッカー部のマネージャーになった。

マネージャーになったけど、先輩から言われた雑用は全部私……彼女はもう1人のマネージャーとずっと話してるだけ。だけど、嫌われたくなくて、何も言えなかった。イライラはつのるばかり……

彼女は、サッカー部の弘人くんに告白してふられた。あっさりと、マネージャーをやめていった。え……何……それ……もう1人のマネージャーも一緒にやめた。

マネージャーは私だけになった。そこにマネージャーとしてきたのは、弘人くんの彼女の奈緖ちゃん。期待なんてしていなかった。だけど、奈緖ちゃんはマネージャーの仕事を私に任せることはなかった。弘人くんが奈緖ちゃんを好きになるのは、分かる気がした。

今までは、部活が終わったら1人で帰っていた。奈緖ちゃんがきてからは、奈緖ちゃんと弘人くんと、彩花ちゃんと美月ちゃんと帰るようになった。

そして、マネージャーをやめてから、彼女たちが私の陰口を言ってるのを知った。傷ついて、落ち込む。全て投げ出したくなる。全てがめんどくさい。めんどくさい。

そんな私に声をかけてくれたのは、彩花ちゃんだった。
「気にすることないよ」って……
陰口なんてはねのけられるくらいに強くなりたいって思った。

彩花ちゃんに出会えた奇跡を逃したくない。




どうして……
もっと早く出会えなかったんだろう?

なんで私じゃダメなの?

もっと一緒にいたいと思っていた
だけど嫌われたくなくて言えなかった

こんなに私のことを分かってくれる人
あなたしかいない……
_________________________________________
私の隣で、奈緖ちゃんと彩花ちゃんが楽しそうに話してるのを見ていて、また切なくなってくる。

彩花ちゃんと話していて、好きな人がいることを聞いた。告白しないのかと聞いたら、告白できない人だからと、悲しそうに笑った。弘人くんを好きだけど、奈緖ちゃんと付き合ってるから告白できないんだと思った。

こんなに私のことを分かってくれる彩花ちゃんのために……2人を別れさせて、彩花ちゃんが付き合えるようにしてあげたい……彩花ちゃんと弘人くんの方がお似合いだもの……


いい人
頼りになるし
いつも励ましてくれて……

だんだん不安になっちゃって

私が好きなほど
私のことを好きじゃない?
_________________________________________
奈緖がサッカー部のマネージャーになってから、話す時間がどんどんとなくなっていった。図書館で本を読んだり、宿題をやったりして時間をつぶして、部活が終わるのを待っていた。

奈緖と話せる時間なのに、なんで……私は梨華ちゃんとヒロと話してるんだろう?奈緖は美月ちゃんと話してる

このまま帰りたくなくて、「このあとカフェとか行かない?」って言って……みんなで行こうと思っていた。だけど、行くのは私と梨華ちゃんとヒロの3人。奈緖と美月ちゃんは2人で帰ってしまった。

カフェで、梨華ちゃんから一緒にマネージャーにならないかと誘われた。これで奈緖とずっと一緒にいられると思って、マネージャーになることにした。

好きだから一緒にいたい。単純な気持ち……

幸せに浸っていた

ふと不安がよぎる

好きだけど
不釣り合いすぎて
不安がふくらんでしまう

夢見てた恋は……もっと……
_________________________________________
毎日のように、彩花とヒロが話してるのを見ている奈緖

ヤキモチ妬いちゃいそう……だけど、めんどくさい女って思われたくなくて、何も言えなかった。かっこよくて、モテモテのヒロ。付き合えて有頂天だった。そのうち、飽きられるんじゃないかって、不安でたまらない。

彩花は中学からの友達。私が何も言わなければ、この関係は守れると思っていた。

だけど、昼休みに梨華ちゃんに呼び出された。
「もう彩花ちゃんと、弘人きんのこと気づいてるんでしょ?誰が見ても彩花ちゃんとの方が似合ってる。マネージャーだって、図書委員の時には休むし……もうみんなに迷惑かけるのやめてくれない?」
「迷惑……って、ヒロとは付き合ってるし、彩花は友達だから……」
「なんでわかんないの?友達だから、2人は何も言えないんでしょ……」

恋って、もっと甘いものを想像していた。だけど、前の恋も、今の恋も……甘くはなかった。

放課後、顧問の先生に話して、マネージャーを辞めた。

夜、ヒロから電話がきた。これから話そう……って。

隣のヒロの家に行く。昔のままのまぶしい笑顔……
「急にマネージャーをやめるなんて、なんかあった?」
「図書委員もあるし、彩花もマネージャーになったから……」
「だったら、一言相談してくれても……」
少しはきにかけてくれてる?
「ヒロ、彩花のこと……好き?」
「ん?好きだよ。」
「そっかー。それなら、彩花と付き合えばいいと思う。もう私達……無理だね……」
「何言ってんだよ。彩花とはそんなんじゃ……」
「もう……いいの……じゃーね。」

ヒロの家から帰った。わかってたけど、辛いな……

家に帰ると、携帯が光ってた。彩花からだった。大切な友達だった。でも、もう今は友達でいるの辛いよ。

メールで、ヒロと別れたことと、彩花と友達でいるのが辛いってことを伝えた。

美月ちゃんからも連絡がきて、ヒロと別れたことを話した。
「奈緖ちゃんって、男運ないよね。マルも、ヒロも……バカヤローだよ。」
「うん、私もそう思う……美月ちゃんたちみたいな恋がしたかった……な。」
後悔ばかりの恋……
失って初めて気付いた

好きだけど
確かな約束は何もない

俺は独占欲が強い
毎日でも会いたくなる
だからできるだけ自分をおさえていた
_________________________________________
奈緖がマネージャーになったら、ずっといられると思っていた。だけど、ほとんど話せない。俺は独占欲が強いから、いつも話してる美月ちゃんにすら、嫉妬していたんだ。だけど、自分をおさえていた。

急にマネージャーを辞めた奈緖。気になって、話しをしたいと連絡した。図書委員と彩花がマネージャーになったことが原因だとわかった。だけど、そのあとの展開は思い出したくもない。別れを告げられるなんて……


あなたのおかげで
私はここにいるよ

1番近くであなたをずっと見ていた

時は流れ……
すれ違い……
_________________________________________
奈緖ともっと一緒にいられると思っていた。だけど、ほとんど話せない。何のためにマネージャーになったの?イライラする毎日。

そして、急にマネージャーをやめるなんて……

夜、連絡をすると、ヒロと別れたことを聞いた。友達でいるの辛いよ……って……

本当の気持ちを隠して、友達でいるのを選んだのに……友達ですらいられなくなるなんて……



何もなかったことになればいい……

彼女との繋がりが消えてしまう……

彼女がいなくなってしまったら
本当におかしくなってしまいそう……

それほど彼女が……大切なの……

手を伸ばせば届いていたかもしれないって
後で後悔したくない
_________________________________________
昨日の奈緖からのメール信じたくなかった。

今、何もしないで後悔したくないから、学校行く前に奈緖に会いに行った。

どうして?ヒロと付き合っていい……なんて言うの?私が好きでどうしようもないのは、奈緖なのに……ずっと奈緖を追いかけてるだけだった。私の気持ちを伝えたら、もしかしたら……だけど告白なんかできるわけない

奈緖が離れるなんて、イヤだよ。離れて行かないで……

「私は奈緖が好き……だよ。」
「ごめん。無理……何もなかったように、今まで通りになんてできない。」
わかんない。どうして……?拒絶されたんだ。

そのまま、部屋に入ってしまった。届かない想いに涙が出る。

そして、部屋から出てきたヒロに会う。奈緖の部屋の前で泣いてる私にびっくりしていたんだ。だけど、ヒロの部屋に入れてくれた。涙が止まるまで、頭をポンポンしてくれた。

こんな気持ちのまま、学校に行けるわけもなく、家に帰った。休んでる間に、奈緖とヒロが別れて、私とヒロが付き合ってると、噂になってることなんて知らなかった