いつもそばにはキミがいた
だけどオレを全く男として意識してない
ムカつく
オレはキミが好き
だけどキミが好きなのはアイツ
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弘人、15才、中学の卒業式のあと……
仲良しグループで帰ることになった。奈緖を見つけて声をかける。そして、泣いてる奈緖に気付いた。大地にふられたことを知った。
泣き止むのを待って、奈緖と帰った。本当は、奈緖に告白するつもりだったのに、これじゃ……
好きな人が2人で歩いていた
楽しそうに笑いあってる
私といる時よりも楽しそう
彼にふられたけど諦められなかった
現実をつきつけられた
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奈緖、春休み
仲良しグループのもう1人の友達彩花が、ふられたことを知って、遊びに誘ってくれた。
ブラブラウィンドーショッピングして、疲れたから入ったドーナツやさん……仲良くドーナツを食べてる大地と美咲がいた。私達に気付いた。「奈緖たちもこっちおいでよ……」「あー、ドーナツ買いにきただだから……」と、ドーナツを買って店を出た。
彩花の家に行くことにした。
「奈緖、あんたには無理だって……さっきの見たでしょ?」って言われたけど……いや……諦められないよ……
彩花が美咲に電話した。「ちょっと聞きたいんだけど、大ちゃんと付き合ってるの?」「うん……卒業式の帰りに告白されてー……」「うん……わかった。」「今度はみんなで遊びに行こうね。」
「諦めないで、2人が別れるのを待つ……の?」
諦めるしかないんだ……
「諦める……」
「みんなで遊びに行こうって……どうする?」
「私は行かない。彩花達は行っていいよ」
「奈緖いなかったら、つまらないし、私もパス……」
「私のせいでゴメンね……」
「2人と違う高校でよかったね。」
「うん……頑張って2人と同じとこ行かなくてよかった……」
ずっと好きだった初恋の人に失恋
こんな一方通行な恋はやめる
あの日から話していない
ただ……好きだったから……
困らせたかったわけじゃない……の
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失恋してから会ってなかった大地から電話がきた。失恋していたけど……ドキドキした。「失恋したから、みんなで会うのをやめるとか……悲劇のヒロイン気取り?みんな、迷惑してんのわかんないの?」「わ……私……そんなつもりじゃ……」「だったら、迷惑かけんじやねーよ……」そして、電話が切れた。これが、あんなに好きだった初恋の人……なの?
そして、美咲から電話がきた。「みんなで遊園地に行こう。行かないとか言わないでね……当日こなくてもいいから……あ、それと知ってた?彩花、ヒロから告白されて、付き合い始めたんだって。」「え……」「それなのに、あんたが彩花と会ったりしてるから会えないって……彩花が言ってたよ。失恋したからって、人の恋の邪魔して楽しい?」「私……そんなこと……」「本当、迷惑なの……」
好きだから告白した。でも、本当は高校にいっても一緒にいたかっただけなの。みんなに迷惑かけるつもりじゃなかったの……
彩花からも電話がきた。「美咲から聞いたけど、奈緖も行くの?」「うん、行くことにしたよ」「そうなんだ。じゃ、行こうかな?」「うん……」
ヒロからも……「奈緖、大丈夫なのか?」「うん、もう大丈夫だよ。」「そっか、ならよかった。明日はみんなで楽しもう……」
そして、マルからも……「奈緖、明日行くの?」「うん……」「大地と美咲が付き合い始めたの知ってんだろ?」「うん……」「それなのに、平気なのか?」「だって、私のせいで、みんなに迷惑かけらんないよ。それに、彩花とヒロも付き合い始めたんだって……」「え?そんな話知らねー……」「美咲が言ってたよ。」「ちょっと美咲に電話してみる」
その後、またマルから電話がきた。「美咲にきいたよ。あの2人も付き合い始めたなんて、知らなかったな。あのさ、美咲から明日こなくてもいいから……って言われたよ。奈緖も、そう言われたんじゃない?」「うん……」「やっぱりな。暇だし……2人で遊ぶ?」「え……」「あ、2人じゃいやか……春休みからサッカー部の練習行ってて、友達できたんだけど……そいつと、そいつの彼女と4人で会わない?彼女、奈緖と同じ高校らしいし……」「私が行って、迷惑じゃない?」「明日はサッカー部の練習が休みたから、皆で楽しもう。」「それなら、美咲たちと……」「奈緖、わかってる?俺、こなくてもいいからって言われたの。ダブルデートの邪魔する気はないよ。」「そうだった……ね。」
何回ふられたってあきらめられない
だって好きなんだもん
彼が好きなの
ふられたって気持ちは変わらない
彼に振り向いてもらうため頑張る
諦められない
後悔したくないから頑張る
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美咲の本心……
美咲は何度もヒロに告白して、ふられていた。「奈緖が好きだから……」って……
私、ヒロがいないとダメなんだ。いつだって、ヒロの隣が私の居場所。
ふられても、グループから離れることはなかった。
奈緖が大地にふられた。これは、チャンスだと思った。こうなったら、どんな手を使っても、付き合ってみせる
そして、大地から告白されて、付き合い始めた。ヒロとのつながりをなくさないために……奈緖が行きそうな店でずっと2人でいた。ほら、彩花ときた。付き合い始めたことを言った。彩花からの電話で皆で遊びにいこうと伝えた。
そして、作戦を実行。Wデート。ヒロの隣は私……明日こそは、私の魅力をわからせてやるわ。
諦めた恋だった
俺は何のために諦めたんだろう?
きっとお前はたくさん泣いたんだろう
オレは何も分かってなかったんだ
今……あの頃のオレに腹がたつ
もう泣かせない
俺が守ってやるから……
もう諦めたりなんかしない
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マルの初恋……
あれは中学の入学式。桜の木の下で、女の子が転んだ。周りのやつらは、クスクス笑って、「あんなマンガみたいにこけるのを初めて見た。」とか、言って……
「大丈夫?」って声をかけたら
「大丈夫ですよ」って、ふわりと笑って……笑顔に恋におちたんだ。次に会ったのは、同じサッカー部の友達弘人の幼なじみって、紹介された。だけど、入学式のこと……なんて覚えてなかったんだ。ま……そんなもんだよ。
いつの間にか仲良しグループが出来ていた。ヒロと奈緖と俺とサッカー部の大地と、大地が惚れてる美咲……そのうちに、彩花も加わって6人。仲はよかったけど、気づいたんだ。奈緖が大地を好きなことに……でも、大地は美咲が好きで……いつバランスが壊れてもおかしくないと感じてはいた。俺のことなんて、何とも思ってないのを分かってるから、奈緖と同じ高校じゃなくて、サッカーの強い男子校にいったのに……俺が知らない間に、奈緖がこんなに傷ついていたなんて……同じ高校にすればよかった……
俊一には、好きな子の話はしてあったから、すぐに奈緖に気づいた。余計なこと言うなよ……って、思っていた
だけど、4人でずっと遊んでいた。奈緖とこんなにいられるなんて……俊一ありがとー。
今度こそ、奈緖を守ってやるから……な
初恋の人……
忘れられない思い出の一ページ
今思いだしても甘酸っぱい
でも初恋って実らないんだね
実らないから思い出は甘酸っぱいままなのかな?
恋を教えてくれたのは……
あなたでした
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帰り道、マルに家まで送ってもらった。大地を好きってことは、彩花にしか言ってなかった。なんで好きになったのかマルに聞かれて……入学式の恋に落ちた瞬間のことを話した。だけど、次に会った時に大地は覚えていなかったことを伝えた。
なんか、マルの様子がおかしい……
恥ずかしいのは、私のほうだよ。
「まじか……入学式桜のとこでこけてた……」
「周りにも人がいたから、マルも見てた?恥ずかしいな」
「それ、大地じゃない……」
「何……言ってんの?」
「桜の下で転んだ女の子に声をかけたんだ。大丈夫?って……その時笑った笑顔に……」
「ウソ……でも、見た目が違う……」
「入学式だから、スプレーで黒髪にしてたんだ。今はコンタクトだけど、あの時はメガネだった。サッカーやってたけど、水泳もやってて、塩素で茶髪になるんだよね。」
「本当に……?」
「鞄からメガネを出して、メガネをかけた……」
あ、あの時のメガネ……
「あのね……遅いかもしれないけど、聞いてくれる?初めて会った時からずっと好きでした。」
「俺も、あの時からずっと好きだった。俺から言いたかったな……俺の彼女になってください。」
恋を教えてくれたのは、あなたでした。
まさか勘違いしてたなんて……
メガネは似合わないから
キミに見せたくなかった
もしかして
メガネかけたら何か変わってた?
本当に大好きだった
好きで好きでたまらなくて……
こんな気持ち……今まで知らなかった
やっとつかまえた
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一緒に会ってるけど、付き合ってるわけじゃない。なのに、なんで俺……こんなに傷ついてんだろう?どうして、大地なんかを好きなのか……気になっていた。そして、聞いたんだ……
奈緖の初恋の話をきいて、嬉しかった。そんな勘違いで大地なんかにとられなくてよかったー。
奈緖の告白を聞いて……嬉しかった。
やっと、恋が叶った。
俊一に伝えたら、喜んでくれた。
家に帰ってから、奈緖に電話した。
「明日は、サッカー部の練習あるから見に来ない?」
「行ってみようかな?」
「ねー、俺のこと名前で呼んで?」
「え?なんで急に?」
「呼んで……」
「渚くん……」
女みたいな名前で嫌いだった名前。だけど、名前に呼ばれて嬉しかった。
「これからは、名前で呼んで……ね」
「でも、名前で呼ばれるの嫌いじゃなかった?」
「うん、嫌いだったよ。でも、奈緖には名前で呼んでほしいんだ。奈緖は特別だから……」
言ってて、恥ずかしくなった。顔が赤くなってるのがわかる。顔見られなくてよかったなー。
「特別……嬉しいな……私に恋を教えてくれたのは、渚くんだよ。」
はぅ……ますます赤くなる。
「俺に恋を教えてくれたのは、奈緖だよ。」
つまらない……
あなたがいないから……
心に穴があいて
心が悲鳴をあげていた
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遊園地集合だったので、奈緖と行こうと思って、奈緖の家に電話をかけたら、もう出かけたって……もう出かけたんだ。急いで家を出た。遊園地に、まだ奈緖はきていなかった。そして、美咲から「奈緖とマルは来れなくなったんだってー」え?それなら、私……ここにいる意味がない。「それなら、私は帰る」って、言ったのに結局4人で遊園地……
なんかダブルデートぽい。だけど、なんで?美咲は大地と付き合ってるんじゃないの?ヒロの隣を歩く美咲。大地の機嫌が悪くなるのをひしひしと感じる。ヒロも不機嫌……早く帰りたい。奈緖達に写メ送るから、笑って……と言われ、その写メを奈緖に後で送るって……
いつもだったら、夕飯も食べる。だけど、すぐに帰ることになった。え?家が近いからって、ヒロが美咲を送るの?
「ごめん、俺、このまま別行動するわ……」
「あ……じゃー私も……」
2人を残して、歩き出した。そして、ヒロと歩いていたら、「ま……待ってよ……私も……」「お前は、大地と帰れよ……」「なんで?」「お前たち、付き合ってるんだろう?俺達、邪魔する気ないし……」
そして、楽しそうに歩く奈緖とマルを見かけた。あと知らない男の子と女の子。なんで……?4人の後をつけると、途中でわかれて、マルと奈緖が2人で帰る。何を話してるのか、聞こえなかった。だけど、途中から2人が密着する。恋人つなぎ……
奈緖の家についた。引き返してきたマルに会った。
「奈緖と付き合うことになったから……お前たちは4人で仲良くすればいい。」
「何言ってんだ……よ」
「奈緖を傷つけるお前たちのことは、許せない。もう奈緖に近づくなよ。」
「ふざけんな。俺達友達だろう?」
「これからは、俺が奈緖を守るから……じゃーな」
そして、そのまま……奈緖と会えないまま、昼休みは終わった。心が悲鳴をあげていた。
なんでこんなことになったんだろう?
オレの気持ちはどうなるの?
勝手に話が進んでいく
もう戻れない?
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遊園地の帰り道、奈緖が仲良さそうにマルと話してる。なんで?あとをつけた。
そして、マルから奈緖と付き合うことになったときいたんだ。奈緖に近づく……な?勝手に決めんな。
そして、彩花と奈緖の家にいった。そして、マルと付き合うことになったと、言われたよ。「私達にかまわず、4人で仲良くしてね……」マルと同じことを言った。
俺の気持は……?ぼーぜんとするおれ達……奈緖は、家に入ってしまった
そして、父さんがいない時は奈緖の家に預けられていたのに、それもなくなり、1人で家にいると、思い出すのは奈緖のことばかり……
奈緖に会えないまま、春休みが終わった