高校生になったら
きっとキラキラな毎日が待ってると思っていた

だけど現実は……あの頃考えていた自分とは全然違う
何も変わらない冴えない私……

期待してはいけない……
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高校生になったら、何か変わる気がしていた。でも、何も変わらない冴えない高校生活……

ヒロと彩花とは、また話せるようになった。

2人のクラスに遊びに行って、3人で話していた。

だけど、体育の前に着替えてると、ヒロのクラスの子に「あんた、弘人くんのなんなの?」
「幼なじみだよ」
「全然つりあってないじゃん……弘人くんに近寄らないでよ」

ヒロ……って、人気あったんだ…… ヒロと釣り合う自信がなかった。絶対に私なんかと釣り合ってない。美人の彩花とヒロは絵になるなー。キラキラしてる2人とひきかえ、私は……そして、またヒロと彩花と話さなくなった。一度意識しはじめたら、もう元の関係には戻れない。今は遠すぎる関係……




昔から鈍くて……
オレの気持ちに気づかない

オレはキミが好き
キミがそばにいなきゃダメなんだ

キミへの気持は薄れない
どうにもならないくらいキミが好き
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うちの親と奈緖の母親が友達だった。生まれた時から一緒にいたね。俺の親は仕事が忙しくて、自分の家にいるより、奈緖の家にいることが多かった。玲於兄と3人でよく遊んだね。

早く俺の気持ちに気づけよ。早く俺を意識しろよ……

奈緖とずっと一緒にいたくて、同じ高校にきた。だけど違うクラスだった。それでも、今までの関係は続くと信じていたんだ。

奈緖と話さなくなった。なんで……奈緖不足で死にそう……

そんな中、同じクラスの子に告白された
「弘人くん、いいじゃん……私と付き合おうよ」
「俺、好きな人いるから……」

告白されてるのを奈緖が見ていたなんて気づいてなかった。ますます離れていく奈緖……

俺はどうしたらいいんだよ……

モテたって何の意味もない。一番好かれたい人に振り向いてもらえなかったら、全然意味ないのに……

奈緖のこと、今も好き。どうにもならないくらい好き。奈緖への想いは薄れない。

奈緖がいなくなってから、つまらない。半身がなくなっちゃったみたいで、ぽっかり胸に穴があいたような……胸の奥がチリチリと焼け付くようだった。胸が張り裂けそう……


彼女も俺のことを想ってくれてたと知った時
嬉しくて舞い上がった

つきあい始めると
どう接したらいいのか
戸惑うことばかりで……

不器用な恋は始まったばかりで
先のことなんてわからない
大切にしたいという想いはあふれてるのに
彼女を幸せにできるか不安を感じる
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高校が始まった。春休みと違って部活があって、会えない。会えない時間が増えると、不安になる。

彼氏として、奈緖を喜ばせてあげたい。楽しんでもらえるように頑張らなくちゃ……な。

奈緖にふさわしい彼氏に努力する。会えない分、夜毎日電話した。話してると、不安が少し減る。

今夜も、奈緖に電話をかける。奈緖の声を聞くと、心があったかくなる。こんな安らぎ、今まで感じたことはなかった。あふれる想いが止まらない。

あなたを想い続けて
こじれにこじれた恋の行方は……

ずっと一緒で
あなたも好きだって思ってると思ってた
だけど違っていたんだ

私はずっとあなたが好きだった
バカだなって思うけど
昔からあなたは私のものだと思ってた
それなのにあなたが付き合ったのは……
私じゃなかった

どうやってあなたを諦めたらいいかわからない……よ
あなたへの秘めた恋心……
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理沙、高校1年。

マル、美月、俊一の水泳仲間の理沙

小さいときから、水泳で一緒だった仲間。美月と俊一が付き合い始めた。私はずっとマルが好きだった。

ずっと、マルも同じ気持ちだと思ってたのに、私の好きとマルの好きは違った。一緒じゃなかった。私の一方的な想いで、マルは私に特別な感情は持ってなかったんだね……

バカだなって思うけど、ただの幼なじみよりは近いと思ってたんだ。マル、私のこと好きなんでしょ?「なんで言葉にしてくれないのよ……」って思ってた。だけど、関係はずっと変わらなかった。

中学を卒業した後の春休み、マルに彼女ができたと聞いた。イヤだ……っ、信じられなかった。信じたくなかった。だけど、それから、3人に会うことはなくなった。



ダメだとわかっていても
彼に会えてテンションが上がった
ずっと好きだった彼と再会して胸が高鳴る

どうしても彼が欲しくて
どうしようもなかった

彼とずっと一緒にいたいから
彼が何よりも大事だから
何も恐くない
何でもするわ
私にできることなら……
彼がいれば何もいらない
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マルの高校で練習試合があるって聞いて、応援に行くことにした。そこで見たのは、彼女と仲良く話してる。

試合の後、マルに気持ちを伝えた。
「ずっと好きだった。」
「き……急にそんなことを言われても……」
「もう一度チャンスがほしい……の」
そこへ、マルの彼女が見えた。マルに抱きついて、キスした。唇が触れる。胸の奥にポッと火が灯った。

走り去る彼女……をマルが追いかけようとしていた。だけど、抱きついて離さなかった。
「あんな子より、私の方がマルのことを好きなんだから……」
「お前のことは、友達としか思えない。俺が好きなのは、奈緖だから……」

どうしよう……
もう本当にダメなのかな?

このままじゃ終われない

好きだけど
彼女の心にどう触れていいのがわからない

どうしてら信じてくれる?
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告白されて、抱きつかれて、キスされた。俺のファーストキス……だったのに……なんて思ってた。だけど、それを奈緖が見ていたなんて……走り去る足音を聞くまで気づいてなかった。

すぐに追いかけようとしたのに、理沙に抱き着かれて、追いかけられなかった。やっと見つけた奈緖は、美月の隣で泣いていた。こんなはずじゃなかったのに……

2人で話す
「奈緖、ごめん。理沙に告白されたけど、俺が好きなのは、奈緖だから。こんなことで、終わりにしたくない」
「私達、合ってないし……このままつきあえない。」
「俺は別れたくない。」
「私は、もう会いたくない」
奈緖の言葉にいちいち傷ついてもしょうがないのに……それでも、友達としての絆を切りたくなかった。
「せめて、もう一度チャンスをくれ。友達として……でいいから……」
「もう友達にも戻れない。」

結果的に失恋ってこと……だな……




あなたと一緒にいると楽しかった
これからも一緒にいられると思ってた

ずっとこのままつきあって
そのまま大人になって
ずっとあなたと……

でもそんな夢は幻だった

今は心が苦しい……よ
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試合の後、マルをさがした。そして、マルが抱き合って、キスしていた。その場を走り去る。美月に話しながら泣いていた。そこにマルがきた。

私に気づいていたはずなのに、すぐに追いかけてこなかった。

でも、このままじゃダメだよね。マルと向き合う決心をした。

あんな綺麗な人に迫られていやなわけない。自分が似合ってないと感じた。ヒロと彩花に感じたのと同じ劣等感……一緒にいたかったけど、もう無理だと思った。

別れ話……の後、泣いていた私
「奈緖ちゃん……大丈夫?」
「やっぱり別れることになった。美月ちゃんにも迷惑かけたね。ごめんなさい」
「そんなの、いいから……一緒に帰ろう……」
「美月ちゃんは、マル達と帰っていいよ。あの人も、美月ちゃんと友達なんでしょ?」
「そうだけど、奈緖ちゃんも友達だよ……」
「私と一緒だと、美月ちゃんがみんなといづらくなる。だから、私は1人で帰る。じゃーね。」

明日、美月ちゃんとどんな顔して会えばいいかわからない……

そして、美月とも距離ができてしまっていた。

忘れたいことや
どうしようもない寂しさが……

ずっと胸に秘めてた想い……
あなたへの想いはゆるぎないものになっていく

何かが吹っ切れて心が軽くなった
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最近、美月ちゃんと一緒にいるところを見かけなくなった奈緖。今度の噂は奈緖が彼と別れたって……本当なのかな?

奈緖のためにはどうしたらいいのか考えて……でも、何も思いつかなかった。だけど、奈緖のところにいった。噂になってることを聞き出すために、屋上に2人で行った。そして、本当にマルと別れていた。まさか、奈緖の前で他の女と抱き合ってキスしてたなんて思わなかったよ。

「もう無理しなくていいんだよ。私はいつまでも友達だよ。」
「ありがとう。」
奈緖の手をギュッとにぎった。もう、奈緖から離れないよ。

あなたは誰よりも私のことを理解してくれる
変わらない友情……
傷ついた私を受け止めてくれる

言葉にしなくても
あなたは全てわかってくれる

あなたのおかげで前向きにやっていけそう
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マルと別れて、美月ちゃんとも距離をおいた。そうすると、私には誰もいない。

そんな私に声をかけてくれたのは、彩花だった。あの頃みたいに……

「大丈夫、1人じゃないよ。ずっと友達だよ」
不安を受け止めてくれた。彩花の優しさに……こんな風に言ってもらえるなんて、すごく嬉しい。

彩花が手をギュッとにぎった。手のあたたかさに、落ち着きを感じる。