他の人なんかといないで
もっと私といてよ……

ねぇ……離れていかないでよ……
私にはあなたが必要なの……

彼女のことが頭から離れない
彼女のことが気になり眠れずに過ごす夜
拭いきれない不安
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急に奈緖が離れていった。春休みも全然会わなかった。なんで?私、何かした?入学式、ヒロとは同じクラスになれたけど、奈緖とは離れてしまった。でも、休み時間は一緒だよね?

次の日ヒロと話ながら、奈緖がくるのを待っていた。だけど、奈緖がくることはなかった……

そして、放課後……奈緖のクラスに行った。ヒロの部活が終わるのを待って一緒に帰るんだと思っていた。
「奈緖、ヒロの部活終わるの待って、一緒に帰るんでしょ?」
「彩花は待っていてあげれば?私は先に帰るから……じゃーね。」
「奈緖、待たない……の?」
「奈緖ちゃん、もう帰る?」
「あ、うん、帰る。彩花……じゃーね」
「奈緖……」

教室に戻った。たった1人で、ヒロを待っていた。

帰りは、いつものような楽しい雰囲気はない。流れる沈黙……奈緖がいないとダメなんだよ。

なんで奈緖の隣にいるのは、私とヒロじゃないの?私はなんのために、奈緖と同じ高校にきたの?明日は……話せる……よね?

彼女に振り回される

分かってたけど
勝手すぎてたまについていけなくなる

お前以外考えられないよ
これ以上ないくらい好きだ
どんなお前だって愛おしい
守ってあげたくなる
お前の近くにいたかった

幼なじみの境界線を越えたかった
でも超えられないまま
お前は他のヤツに恋していた

一度は諦めた
でもお前は失恋した
まだチャンスはある?
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サッカーの強豪校をすすめられたけど、奈緖をおいかけて、この高校にきた。

本当は中学の卒業式のあと告白するつもりだったけど、その前に奈緖が大地にふられていた。告白できないまま高校に入学。

いつか、幼なじみの境界線を超えて……

残念ながら、奈緖と同じクラスになれなかった。それでも、奈緖が休み時間に遊びにきてくれると信じていた。でも、奈緖が遊びにきてくれることはなかった。

サッカーの部活の終わるのを待ってくれてると思っていた。中学の時みたいに……だけど、彩花しかいなかったんだ。彩花に聞くと、奈緖はもう帰っていた。朝も朝練があるから、一緒になることはない。朝練が終わった後、教室に向かってると……2人で仲良く歩いてる奈緖と知らない子をみかけた。絶対に俺に気づいたはずなのに、挨拶することもなく、俺の前を素通りしていく2人……まるで、俺なんて知らない……って感じで……2人を追いかけて、「無視すんな……バーカ」ちょっとおちゃらけて言った「あ、弘人くんおはよう……」と言った奈緖……よそよそしい……そして、今までのようにヒロと呼ばなかった。呆然とそているうちに、2人は去っていった。大好きなふわりとした笑顔もなかった……

もう……俺のことしか考えられないくらいめちゃくちゃ強く強く抱きしめたら……無理矢理にでも……なんて、こんなに好きな奈緖にそんなことできねぇ……

そして、奈緖と話せないまま……時間だけが過ぎていく







学校にはもう居場所はなかった
どこにもないんだから……
大丈夫……たった3年……
3年我慢すれば……

だけど限界はくる……
人生に絶望しちゃった

あの時……
あなたに会わなければ
今の私はいない
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彩花……中学の思い出したくない記憶。

中学に入ってすぐ、いじめられてる子がいた。なんとか助けてあげたかった。先生に話したら、「うちのクラスにイジメなんてない。」って言われ、全然話を聞いてくれなかった。そして、イジメを助けたら、私がイジメのターゲットになった。イジメを助けた子に「彩花と友達だと思われたら、また私までイジメられるから、私に話しかけないで……」上履きがなくなったり、ノートが破かれたり、机に落書きされたり、ネットで悪口を流されたり……

辛くないわけじゃない。私にだって限界はある。誰もいないと思っていた屋上に行った。先客がいた。空の写真を撮っている奈緖だった。同じクラスだけど、話したことはなかった。「あ、ゴメン。邪魔しちゃったかな?」「全然邪魔じゃないよ。」ふわりと微笑んだ。

一緒にクラスに戻る。そこにいたのは、私の机に嫌がらせをしている人だった。またか……現実は変わらない。期待もしてなかった。
「何してるのかな?」
声を上げたのは、奈緖だった。
「べ……別に……何も……」
「そこ、彩花ちゃんの机だよね?」
机の中身を取り出す奈緖。私の机に落書きしていた子の机と私の机を変えていた。
「そんなに絵を書くのが好きなら、自分の机にやりな~。」
「奈緖帰るぞ……」って、サッカー部の弘人くんがきた。そして、奈緖が弘人くんに言ったんだ。
「あ、ヒロ……もう部活終わったの?今日から彩花ちゃんも一緒に帰ることにしたから……」
「そっか、じゃ3人で帰るか……って、支度終わってんの?」
「まだこれから、ちょっと待ってて……」
「相変わらずトロいな……」

暗い闇の中にいた私に光を与えてくれたのは、奈緖だった。あれから、奈緖とヒロと大地と美咲とマルのグループに入ってからは、イジメられることはなくなった。

学年一番のイケメンのヒロ、マドンナって言われてる美咲、スポーツバカの大地、優しいマル。そして、笑顔がかわいい奈緖。ヒロと美咲がいると、絵になるなー。奈緖が大地を好きなのは、すぐにわかった。応援していたけど、告白してふられてしまった。ヒロと美咲がカップルだと思っていたけと、美咲が付き合ったのは、大地だった。高校は、もっと上のレベルの大地と美咲が行った高校も行けたけど、奈緖と一緒のここにきた。マルはサッカーの強豪の男子校に行った。ヒロもそこに行くと思っていたのに、一緒のとこ…

中学の仲良しグループで会うことはなくなっていた。

でも、謎なのは、ヒロはなんでうちの高校にしたんだろう?

一瞬にして崩れていく

私の居場所はもうどこにもないんだ

あなたと一緒なら
悲しいこもや辛いことは半分
嬉しいことや楽しいことは2倍だった

あなたは私のものだったのに……
あなたと、一緒にいないとダメなのに……
あなたがいなければ私の幸せはもうない
あなたがいなければ私はダメになる

色々と考えて悶々としてる
もう何も考えられない
胸の奥がだんだん苦しくなる
胸が締め付けられる
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一瞬にして奈緖を失った。奈緖の隣にいるのは、もう私じゃない。入学して1週間……奈緖とは全然話せない。満たされない想い……何してるの……私……誰もいない屋上で泣いた。

奈緖がいないと、私……1人……どうしようもなく2人で話したくて……弱い自分が情けなく感じた。自分のことばかりで……どうしてわかってくれないんだろう……って思って、イライラしていた。

どうしたらいいのか、わからなくて……ただ泣いていた

そして、屋上に現れたのは、ヒロだった。

ヒロにまで心配かけちゃって、自分が情けなくなるよ

何も言わず、頭をポンポンとなでる優しい手……やっぱり優しいね。

そして、この2人を見た人がいた。

ヒロといても、寂しさだけが増していく。





毎日が楽しかった……あの頃……      
でもずっと続かない……んだね

いつも空回りばっか
涙が出そうになる

うかれてたのは私だけ……
胸が張り裂けそう
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奈緖は、友達の彩花といつも一緒にいた。

いつも、彩花に話しかけていた私……だけど、クラスが離れてから話に行かなかった。彩花がきたのは、ヒロの帰りを一緒に待とうって言った1回だけ。

そして、その後は話すこともなかった。噂話を聞いて、2人に謝った。

「奈緖ちゃん、大丈夫?」
そんな優しい言葉を言ってくれるのは、美月ちゃんだけだった。







噂が流れる

不器用な3人の関係は……

あっという間に壊れていった

全部夢ならいいのに……

全部なかったことにできたらいいのに……
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彩花が屋上で泣いていたこと。ヒロが慰めていたこと。これは、事実だよ。奈緖が離れてしまって、寂しくて泣いていた。それなのに、ヒロと彩花が付き合ってるって噂になっていた。……そして、噂には尾びれがつく。彩花が泣いていたのは、ヒロのことを好きな奈緖が2人の邪魔をしていたからだと……

奈緖が話にきた。喜んだ私に……
「彩花、泣かせてしまったのならごめんなさい。」
「奈緖……違うの……聞いて……」
「もう邪魔しないから……ゴメンね」
と、自分のクラスに戻っていった。

そして、周りにたくさん人が集まって……「謝るくらいなら、邪魔しなければいいのにね。」「自分が釣り合うとおもってんのー?」「あんな子、彩花の引き立て役にしかなれないのにねー」みんな、奈緖の悪口を言う。そこに、ヒロがきた。めっちゃ不機嫌……「泣かせてのこと、何も知らないのに、勝手なこと言うな。」「私たちは、2人のことを思って……」「彩花が泣いていたのは本当だけど、奈緖のせいじゃない。ただの噂なのに、勝手なこと言ってんじゃねーよ。」

だけど、この噂のせいで3人の仲は……壊れた。

あれからずっと……今も……奈緖のことしか考えられなくなっていた。そして、今日も眠れない……




噂を聞いた
いつもなら噂なんて聞かないけど
彼女のことだったから

噂に振り回される

オレの気持ちはどうなるの?
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朝、学校に行くと噂話を聞いた。俺が彩花と付き合ってる?奈緖が邪魔してる?そんなわけないだろ……不機嫌になる。

久しぶりに奈緖が来た。
「ずっと邪魔してたみたいで、ゴメンね。私はもう大丈夫だから……」
「大丈夫って、なんだよ………」
「もう2人の邪魔しないから」
やっと話せたら、これか?
「俺、邪魔なんて言ってないだろ……」
「ヒロは、昔から優しいね。でも、その優しさは好きな人だけにしておきなよ。」
そう言うと、離れていこうとした。

俺が優しいのは、奈緖だから……なんだよ。なんで、お前は全然気づかないんだよ……俺が好きなのは、奈緖だ

追い掛けて
「奈緖は何も悪くない。誰が言ったかもわからない噂話を気にすることなんてない。」
「でも、美咲に私のことを邪魔だって、2人が言ったんでしょ?それは、噂じゃないよ……」
「俺はそんなことを言ったことはない。」
「じゃ……なんで美咲は……」
「子供の頃からずっと一緒にいるんだから、俺のことは奈緖が一番知ってるだろ?俺がそんなことを言うと思うのか?」
そこに、彩花もきた。
「私だって、邪魔なんて言ってないよ。」
「うそ……」
「ねー、なんで春休みに遊園地こなかったの?」
「美咲に当日こなくてもいいから、みんなで会う邪魔しないでって言われて……ヒロが彩花と付き合ってるから、ダブルデートしたいって……それで、マルが遊びに誘ってくれたの……」
「俺は彩花と付き合ってないし、遊園地だって、奈緖が行くって言うから行ったのに……」
「それで、次の日に4人で仲良く笑顔の写真が送られてきて、ヒロと彩花も私のことを邪魔に思ってるから、私達の邪魔しないでって言われて……噂話を信じたの……」
奈緖は素直すぎる。なんで、そんな嘘を信じてんだよ。

そうか、全部美咲のせいか……

放課後、美咲と大地と会うことにした。そして、大地が奈緖にひどい言葉を言ったことを知った。そして、美咲が……
「奈緖……なんで言うかな……口……軽すぎ」
「俺と彩花が無理やり聞き出したんだよ」
「ばれちゃったんだったらしよーがない。だって、ヒロが奈緖を好きだって、私をふるから悪いんじゃないの。奈緖がいなくなれば、私のものになると思ったのに…」
「お前は、大地と付き合ってるんだろ?」
「奈緖が大地を好きだったから……」
「……な……ふざけんな。」
大地が怒る気持ちもわかる
「これが美咲の本性なんだよ……」
「あんた、私のこと好きなんでしょ?付き合ってやってんだから、私に協力すればいいのよ。」
「お前、それ本気で言ってんの?」
「ヒロを好きだって気持は誰にも負けないよ。だから、奈緖なんかに渡さない。」

「俺はお前なんて好きにならない。2度と俺達の前に現れるな。次、奈緖を傷つけたら許さない。」

「奈緖……わかった?俺が好きなのは、奈緖だから……こんな形で伝えたくなかったな……」
「ごめん……」
「うん……わかってる……」



高校生になったら
きっとキラキラな毎日が待ってると思っていた

だけど現実は……あの頃考えていた自分とは全然違う
何も変わらない冴えない私……

期待してはいけない……
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高校生になったら、何か変わる気がしていた。でも、何も変わらない冴えない高校生活……

ヒロと彩花とは、また話せるようになった。

2人のクラスに遊びに行って、3人で話していた。

だけど、体育の前に着替えてると、ヒロのクラスの子に「あんた、弘人くんのなんなの?」
「幼なじみだよ」
「全然つりあってないじゃん……弘人くんに近寄らないでよ」

ヒロ……って、人気あったんだ…… ヒロと釣り合う自信がなかった。絶対に私なんかと釣り合ってない。美人の彩花とヒロは絵になるなー。キラキラしてる2人とひきかえ、私は……そして、またヒロと彩花と話さなくなった。一度意識しはじめたら、もう元の関係には戻れない。今は遠すぎる関係……




昔から鈍くて……
オレの気持ちに気づかない

オレはキミが好き
キミがそばにいなきゃダメなんだ

キミへの気持は薄れない
どうにもならないくらいキミが好き
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うちの親と奈緖の母親が友達だった。生まれた時から一緒にいたね。俺の親は仕事が忙しくて、自分の家にいるより、奈緖の家にいることが多かった。玲於兄と3人でよく遊んだね。

早く俺の気持ちに気づけよ。早く俺を意識しろよ……

奈緖とずっと一緒にいたくて、同じ高校にきた。だけど違うクラスだった。それでも、今までの関係は続くと信じていたんだ。

奈緖と話さなくなった。なんで……奈緖不足で死にそう……

そんな中、同じクラスの子に告白された
「弘人くん、いいじゃん……私と付き合おうよ」
「俺、好きな人いるから……」

告白されてるのを奈緖が見ていたなんて気づいてなかった。ますます離れていく奈緖……

俺はどうしたらいいんだよ……

モテたって何の意味もない。一番好かれたい人に振り向いてもらえなかったら、全然意味ないのに……

奈緖のこと、今も好き。どうにもならないくらい好き。奈緖への想いは薄れない。

奈緖がいなくなってから、つまらない。半身がなくなっちゃったみたいで、ぽっかり胸に穴があいたような……胸の奥がチリチリと焼け付くようだった。胸が張り裂けそう……