友達だと思ってた
あなたとならきっと永遠に続くと信じていた
だけど違ったんだね
楽しかった時間ってあっというまに終わる
せつない……ね
少しずつ変わりはじめる日々
今は何も話したくない
なるべくごまかして
色んなことを見ないフリしてきた
これ以上傷つきたくないから……
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美月ちゃんが彼とよりを戻した。元気になってよかった
そんな時、美月ちゃんが「毎日話しかけてきて鬱陶しい。」「友達ヅラして……」と、彼に話していたと聞いた。これ以上は、聞きたくなかった。なんだ……友達だと思ってたのは、私だけだったんだね。涙が止まらない
仮病で学校を休んだ。一日中泣いて……
心配して、家にきてくれたのは彩花だった。そして、かくかくしかじか……この間のことを話した。
「美月ちゃんがそんな子だとは思わなかった。でも、大人しいから話しかけられて断れなかったのかもしれないね。」
そう……きっと、そうなんだと思う。もしかしたら、彩花も……
「彩花も、イヤだったら……」話してる途中で……
「イヤだったら、中学の時からずっと一緒にいないよ。これからもずっと一緒にいるよ。」
彩花の言葉に、また涙がでてきた。
「もう……なんでまた泣いてんの……よ」
「これは、嬉しくて……」
ギユっと、彩花が抱きしめてきた。あったかい……
そして、美月ちゃんと話すことはなくなっていった。
なんで……?
どうして……?
手を伸ばせば手が届く距離にあなたがいるのに
あなたと話せない
特別だと思ってたのは私だけだったの?
私……舞い上がってたかも……
あなたといると自然な自分でいられた
どうしてあなたの前では素直になれるんだろう?
あなたと過ごす時間が楽しかった
今は独り
今までは独りでも平気だった
でも今は胸が苦しくなる
私が私でいられなくなっちゃう
喜びも悲しみも
全て思い出に変えていく
手のひらからボロボロとこぼれ落ちていく
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彼といても、以前のように楽しくなかった。
学校で奈緖ちゃんと話さなくなった。中学の時に戻っただけなんだけど、奈緖ちゃんとの楽しい時間を思い出して胸が苦しくなる。胸がつぶれそう……
奈緖ちゃんは、ほかのクラスメートと話してる。そこはこの間までは私の居場所だったのに……私には誰もいないの……充分すぎるくらい幸せだったもの……現実にもどるだけ……これが私の現実……日々は否応なしに過ぎていく。
でも、なんで急に奈緖ちゃんは……1人で考えたって、答えなんかでない。気がつくと、奈緖ちゃんを目で追っていた。ぶつかる視線……ふいっと、目をそらされる……
クラスメートと少しだけ話した。「美月ちゃんは彼がいていいねー」「そんなの……」と言いかけて、違う子に声をかけられて、離れていった。彼がいるだけで、なんでプライベートも充実してると思うんだろう……か?彼がいても、何か物足りなくて……幸せを感じられなくなっていた。
友達と過ごす時間。それは、奇跡みたいなものだね。そんなありふれた奇跡の時間をあなたと過ごした。喜びも悲しみも全て思い出に変えていく。あれは現実だったんだろうか?手のひらからボロボロとこぼれ落ちていく。
私の人生……ちっとも好きじゃない
恋を知らなかった
抗えないまま……
飲み込まれてしまいそうで怖い……
多少好みじゃなくても……よかった
あなたの優しい言葉がほしかった
こんなの恋とは呼ばない……よね
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もう一度付き合いはじめて、幸せいっぱいのはずだったのに、最近、彼の様子がおかしい。
マルに声をかけられた。
「アイツが浮気してるのを知っても、まだ付き合ってんのか?」
「もう別れたって……」
「優しい言葉を言われさえすればいいのかよ……」
「彼は優しい……もの」
「アイツは、女の子を簡単にホテルに連れ込むヤツだぞ。そんなヤツでいいのか?」
「別にいいんじゃない?もう別れたのなら……」
「は……?」
「彼は今は私と付き合ってんの。放っておいてよ。あんたには関係ないでしょ……」
「勝手にしろよ」
そのあと、彼と会った。まだ彼の家に行ったことはなかった。
「俺の家こない?」
マルにイライラしていた私は、彼についていった。彼女は私なのよ……だから、家族に紹介してくれるんだよね
アパートの一室……え?ここで家族と住んでんの?
部屋に入る
「遅っせーよ。」部屋には男が3人……
「ついてきたってことは、そのつもりだったんだろ?」
頭がグルグルして、どうしていいかわかんないよ。逃げなきゃ……だけど、足がすくんで動けない。怖い……
ドアを開ける音。まだ他にも?マルと奈緖ちゃんと彩花ちゃんと弘人くんと……
「美月、大丈夫か?」
「た……助けて……」
その後ろに警官がいた。警察に連れて行かれる彼らを見ていた。
「マルから全部聞いたよ。美月ちゃんのことを信じてあげられなくて、ごめんね。」
「奈緖ちゃん……」
「いいよ。泣きたい時は泣いていいんだよ」
私よりも背の低い奈緖ちゃんが、私を抱きしめた。涙がこぼれ落ちる。
私はなんでマルの言葉を聞かなかったんだろう。色んな人と会って、色んな意見を聞かなきゃいけなかったんだ
「アイツ、高校に入ってすぐにレギュラーになれると思ってたのに、レギュラーになれなくて、練習しなくなってさ……そうなると、結局サッカーやめたんだ。それで悪い奴らとつきあい始めた。それで彼女の友達とつきあい始めた。それも1人や2人じゃない。何人も……ホテルに連れ込まれて、さっきの美月みたいな目にあった。だから、知り合いの女の子に頼んで、付き合ってるから別れてと……それで美月には被害がいかないと思ってたのに、また付き合ってんのを聞いて、止めに行った。強く止めても、聞かなかった。だから、奈緖と彩花と弘人に話して、ついてきてもらった。怖い思いをしたと思うけど、間に合ってよかった。」
泣きながら聞いた。
「もう大丈夫だよ。だから、安心して……」
「うん……」
彼はもう昔の彼じゃなかったんだ。世の中に変わらないものなんてないんだね。こんな時に助けにきてくれた皆のことは信じられた。私は何もわかってなくて……
身を焦がすほどの狂おしい感情
お前はオレだけのもの
独占欲は加速する
いつもドキドキしすぎて
冷静になれないんだ
お前に惹かれていく自分をおさえきれない
お前に惹かれすぎて
お前といるとオレがオレでいられなくなる
愛しても愛しても愛し足りない
どれだけ時間が流れても
オレはお前しか見えてない
壊れるほど好きで好きでたまらない
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あれから、奈緖は美月ちゃんと過ごす時間が増えた。
俺達の愛は永遠?俺だけが好きみたいでさみしくなる時がある。俺だけが一方的に好きなんじゃないかって……
2人でいる時、奈緖が俺だけを見てくれるなら……だけど休みの日に1人でいるとさみしくなる。ひまな休日の時間を埋めるためにファミレスでバイトを始めた。
毎日笑いあって
そんないつも通りのことが幸せだなんて
私は気づいてさえいなかった
あなたといつだって笑ってた
あなたの笑顔が優しくて大好きだった
だけどなかなか会う時間がなくなって
お互いにすれ違い気味で
大丈夫……かな?
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ヒロがバイトを始めた。学校でみんなで話すくらいで、2人でいる時間がなくなってきた。傷つかないようにごまかしてきたのに……
ヒロがマネージャーの子と歩いているなを見かけた。一応つきあっているけど、ヒロはかっこよくて、すごくもてて……私達もう終わりなのかな……
モヤモヤした感情が芽生えてきて、真っ黒な感情が自分の中にあるなんて苦しい……
今日も明日もずっと……ヒロと……続くと信じていた。私はどうしたらいいの?
一方通行の恋……
どうせ叶わないんだから
こっそりと片想いをしてる
彼女への気持ちを諦めきれない
好きになっちゃったんだから仕方ない
彼女以外考えられない
好きになればなるほど空回りする
ハッピーエンドじゃないってわかっていても
好きにならずにはいられない
この切ない想いが届く日は……?
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美月の兄湊(みなと)
子供の頃からずっと好きだった人がいる。高校生になったら、気持ちを伝えるつもりだった。だけど、好きだと言えなくて……俺の中にあった気持ち……キラキラして、大切な人だけど、関係が壊れるのが怖くて最後の一歩が踏み出せなかった。そしたら、彼ができてしまっていた。彼ができてから、会うことがなくなって……望みのない恋なんだと思い知らされた。
正しくなくてもいい、バカだと思われてもいい、好きになってもらえなくてもいい。傷つくってわかっていても、またキミに会えたら伝えたい気持ち……
いつも、彼ができたと聞いた……あの日を振り返りながら生きてきた。人生をやり直せるなら、あの日よりも前に戻って、気持ちを伝えたい。
キミを諦めたくない。今諦めたら、きっと後悔する。
あれから、1年が過ぎて、いつのまにかまた桜の咲く季節になっている。季節が過ぎるのって早いね。それでも、気持ちは変わらない……
きっと……私次第……
あなたの優しさが……胸を苦しくする……
これ以上一緒にいたら……
なんか息苦しくて……
あなたといるだけで苦しくなる
一緒に話したり……普通のやりとり……
でも全部がきになってしまって……
色んな気持ち……
胸にくすぶってる気持ち……
でも……
この楽しい時間をこわしてまで
関係を変える必要ないよ……ね
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ヒロがマネージャーの子と2人でいるのを見たのは、私だけじゃなかったんだ。学校でも噂になっていた。
ヒロは、バイトが一緒でたまたま会って、一緒にバイトに行ったと話していた。
彩花と3人で話していた。でも、なんだか前とは違う。こんなに意識してるのは、私だけなの……
会わない日が続けば、想いは薄まっていくのかな?冷静にならなきゃ……
このままの関係を壊す必要ないよ……ね?でも、何もなかったように、自分の気持ちに嘘をつくのはやめよう
「ヒロ、もう付き合うのはやめよう。彼女のことを好きになったのなら、彼女とつきあえばいい。」
「何言ってんだよ。彼女は、ただのバイト仲間だよ。」
「私も、2人でいるのを見かけたけど、そうは見えなかった。別れを言えなかっただけなんでしょ。そんな優しさはいらない。」
2人のやりとりを見ていた彩花……
「彩花、行こう。」
「う……うん。でも、いいの?」
「うん。決めたのは私……だから……」
そこへ、彼女がやってきた。
「やっと別れてくれたんだ。これで堂々とつきあえるね。弘人。」
「お前……何言ってんだよ。俺は奈緖と別れたりしない」
彩花と2人で歩き出した。
今は一緒にいられるだけで幸せだから……
いつも一緒にいられるわけじゃない……
キミがいない未来なんて考えられない
だけどキミはいなくなった
本当に大切な人をなくしてしまったんだ
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彩花と奈緖と3人で話していた。話してるのは、彩花と奈緖。俺は聞いてるだけ。それでもよかった。一緒にいられるだけで幸せだから……
でも、奈緖から別れ話をされた。なんでいきなり……呆然としていると、彩花と2人で……歩き出そうとしていた
そこへ彼女がやってきた。これで堂々とつきあえるねって、まるで俺が浮気したみたいじゃないか……
彩花と奈緖が去っていく。
「弘人、部活始まるよ。行こう」
「俺は1人で行くよ」
「一緒に行こうよー」
「俺は1人で行く。」
走りはじめた。
そして、奈緖のことを考えた。奈緖に電話をした。出たのは、彩花だった。
「もう、電話してこないで。奈緖を傷つけるなんて、許さない。」
「俺の話を聞いてほしい……」
「聞くことなんて、何もない。」
電話を切られた
彼女が同じとこでバイトを始めたり、たまたま会って一緒に行くことになったり……あの時に断っていれば、こんなことにならなかったのかな?なくしてから気づいても、もう遅いんだ……
部活が終わったあと、「一緒に帰ろう」って言われた。
まるでこいつと付き合ってるみたい……
「付き合い始めたんだってー?」
他のマネージャーの子と話してる
「うん、やっと彼女が別れてくれたんだ。」
俺の気持ちを無視して……
自分で選択した未来だから
後悔のない選択
私だけの未来なんだから
過去も現在も変えられないけど
これからの未来は変えられる
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ヒロと出会って、ずっと友達だった。そして、恋人になって……このままずっと続くと信じていたけど、終わりはあっけなく訪れた。
ヒロと出会って色んなことを経験した。楽しいことも悲しいことも……いつも、隣にはヒロがいた。でも、もうこれからはヒロはいないんだ。
別れて、辛くて泣いた。……だけど精一杯普通通りに……
どうすれば一番いいのか……
1人になりたいって思っていた。だけど、本当は誰かといたかったんだ……
初めて美月ちゃんの家に遊びに行った。美月ちゃんの家族はまだ誰もいなかった。
「奈緖ちゃん、無理してない?」
「え?」
「……私も色んなことがあったから……」
やっぱりむりしてるの分かってたんだ……
「うちなら誰もいないから、泣いても大丈夫だよ」
美月ちゃんの言葉に涙がこぼれた。
でも、この涙は別れたから辛くて泣いたわけじゃない。美月ちゃんの優しさに涙がこぼれた。
「美月ちゃん、ありがとう。でも大丈夫だよ。」
「無理してない?」
「うん……辛くないって言えば嘘になるけど、美月ちゃんも彩花もいるし……」
終わった恋よりも、優しい友達との未来を……