「なに?浴衣なら、もう出しといたわよ」


「そうじゃなくって…私、新しい浴衣がほしいの」


「新しい浴衣?今のだってまだきれいし、着れるとおもうけど?」



「そうじゃないの。私、祐がいなくなってから渓くんと柚美ちゃん以外誰にも興味がもてなくて。でも、私少し変われそうなの。だから、浴衣も祐との思い出いっぱいのやつじゃなくて、新しく心機一転変えたいの…だめ、だよね?」



「真琴がそんなに言うなら、いいわよ。買ってきなさい。最近なにもおねだりしなかったのに、真琴がおねだりするなんて、珍しいもの。」




「お母さん、ありがとう。」


「そんなの、いいのよ」