その後、俺たちは近くのカフェに入った。
小さなテーブルに向かい合った俺たちの間には、しばらくの沈黙が続いた。
それを破ったのは渓だった。
「さっきは、ごめんな。祐くんが予想外に女の子とおったもんやから気が動転してもうて。またあの子にも謝っといて」
「別にそれはいいんだけど。俺、こっちに来てからずっと1人でいてるから」
「…なんでや。さみしないんか?」
「毎日、窓の外を見ながら真琴のこと考えてるんだ。あんな突き放し方最低だよな、とか今なにしてるだろう、なに食べてるんだろ、誰と話してるのかな、好きな人はできたかな…想像するにしても答えはないんだけど。やっぱ真琴の考えずにはいられないんだ、俺。」