「はなせよ。俺は、こいつとはなんの関係もない。ただ、あまりにもしつこかったから一回遊んでこれっきりにしてもらおうと思ってた。でもこんな言い訳、…通用するわけないよな」
「嘘でしょ…?嘘だよね、祐くん。」
いつしか彼女の目には涙がたまっていた。
ああ、おれは本当に最低だ。
「嘘じゃない。…ほんとだよ」
「こんなとこで、もうやめよ。見てて気分悪いわ。相手さん、ごめんやけどちょっと引っ込んでてくれへんか?これは俺らの問題や。…なあ祐くん。ちょっと2人で話できひんか?」
「いいけど…君はいい?」
「好きにすれば。私、もう帰る」
くるりと向きを変えて、彼女は早足でそそくさと帰ってしまった。