「…じゃあ、そろそろチャイムなっちゃうし、戻ったほうがいいんじゃない?」
「俺は別にこのまま抜け出してどっか行ってもいいと思ってるけどな」
「この不真面目渓くん。じゃあ私が戻る。ちゃんと授業うけなよ?」
「えー寂しいなぁ。まかしとけ、おれは真琴と違って頭ええから授業なんかきかんでもわかってまうわ」
「じゃあ、こんどのテスト、賭けね?負けたほうがアイスのおごり!」
「まあまた考えとくわ。じゃあな」
「絶対だよ〜?」
少しこちらを振り向いて、教室に入っていく渓くんを見届けた後、私は教室に戻った。
久しぶりに、穏やかな休み時間を過ごした気がした。