私の予想どおり、話題は横浜のことを中心に彼がここに至った経緯だった。
どうやら彼はお金持ちで、都会に飽きたから田舎に来た、そう言っているようだった。
どんなお金持ちだよ、とつっこみたかったが私にはお金持ちの気持ちなんて到底わかるわけないのでやめておいた。
その次もその次の休み時間もずっとそんな調子だった。
柚美ちゃんもその団体の中に入り込んでいるので、私は居場所がないと思い、廊下にでることにした。
でて早々、私はびっくりした。
渓くんが私たちの教室の真ん前で壁にもたれかかってなにやら不服そうにしていたからだ。