「じゃあ…真ん中の列の前から4番目の空いてる席に座ってくれる?」


「はい。」


そう言うと、その「イケメン」はすらすらとこちらへ歩いて来た。


正式にゆうと、私のうしろ…
…後ろ!?


さすがに男に疎い私でもこんなイケメンが後ろって……


さっきまでの調子とはうらはらに、私の心臓はドクドクと勢いを増していた。


それと同時に、まだ私にも女心は残っていたのだと安心していた。


なにしろ、昔から祐しか見てこなかったから。


祐がすべてだったから。


他の男の人になんて興味すら示さなかった。