「ひとつ聞いてもいい?」


「なに?」


「あのノート、なにかいてたの?」


「…歌詞ノート。」


「へえ〜、真琴ちゃん、歌が好きなんだね。どのアーティストが好きなの?」


「…いきものがかり。」


ちがう、そうじゃない。


私の『歌詞ノート』はいわゆるそういうやつじゃなくて。


将来の夢はアーティスト志望だった私はこの頃から自分で作詞をしてた。


…でも、そんなの恥ずかしくて言えなかった。


「いきものがかりか〜、いいよね。でも僕はアラシも好きだなあ〜」


「アラシもいいよね」


「うん!で、いきものがかりのどんなところが好きなの?…」