<祐side>


卒業式。


この節目を終えると俺はこの町を出る。


生まれ育った町。


いろんな思い入れがあるけど、あえて思い出はつくらない。
つくりたくない。


やがて俺の存在はこの町から消えてしまえばいい。


そんな気持ちで、ただ1人、屋上でたそがれていた。


風はそんな俺をなぐさめるように吹き続けていた。