「ほんと、ごめんな。…元気でな。」


優しく私の手を振りほどいて、祐は出口へと歩いていってしまった。


「祐待っ…」


私の声は、祐には届かなかった。


…今日も雲ひとつない、すっきりした晴れなのに、心の中はひたすら曇り続けた。


どうしてこんなにも嫌な日は、晴ればかりなのだろうと空を恨んでしまう。


でもそんなのは恨んだところで変わるものでもなく、結局は無力のままに終わってしまうだけだった。