どこからか同じ年くらいの男の子が
声をあげた。


それから、転んだ私の前で手を広げて立った。


「なんだよ、正義の味方ぶってんのかよ」


「だって、3対1はおかしいだろ」


『誰か』がすぐに言い返し、相手がひるむくらい睨みつけた。


いつしか、周りの視線も集まっていた。


「ちぇっ、いこうぜ。」


そそくさと走り去って行くいじめっ子たちを睨みつけていた目が、ふと私の方に向いた。


…それは穏やかな目だった。


「大丈夫?怪我はない?」


「…ありがと。」


見上げると、クラスで一番かっこいい男の子がそこにいた。


私が気になってたあの子だったんだ。