歌い終わると感極まって泣いてしまった。


観客の人たちはたくさんの拍手をおくってくれる。


ふと空を見上げたら日が照ってて、
大きくてきれいな虹がでていた。


それはまるで祐みたいで。


この光景は生涯、一生忘れないと思う。



「真琴、祐くん聞いてくれてたよな」


「さあ、どうだろうね」


ライブが終わった後の控え室。


たまには渓くんと立場を逆転してみる。


「おいっ、そこは『そうだね』とか言うとこちゃうんか!」


モノマネをいれてまでツッこんでくる渓くんはほんと面白い。


だからそんなおしゃべりな口を閉じてやるんだ。


…この日初めて、私たちはキスをした。


渓くんは少し驚いたようで。


でも、次第に受け止めてくれた。


…私の、寂しいワガママを。


きっとこれからも、いや、絶対にこれからも渓くんは受け止めてくれる。


だって渓くんは今、この地球-セカイのすべてなんだから。



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*この作品はフィクションです