急いで髪を整えて、ギターのチューニングを合わせる。


今日は雨だからすごいズレてるや…。


いつか祐が言ってたことを思い出す。


湿気とかが楽器にとっては命とり。
ちゃんとした状態で扱ってあげないといけないよ。
って。


みんなの準備が終わったところで、司会役の教授がやって来た。


「ついに、今日が来たね。思う存分、はじけてくればいい。」


そう言って初舞台に緊張する私たちの心を落ち着かせてくれた。


「準備はいいか?」


教授が尋ねる。
周りを見渡すと、みんな緊張はしているものの準備満タンといった顔付き。


「はい!大丈夫です」


そう言うと教授は微笑んで、ステージへと上がっていった。


「えー、長らくお待たせいたしました!我が校の『ALWAYS』というグループです!どうぞっ」


たくさんの拍手で迎えられ、私たちは初舞台へと上る。