ライブ当日。
とても気持ちのいい目覚めだった。
携帯のアラームよりも五分早く起きれて、いつも寝坊ばかりする私にしてはすごく珍しかった。
シャーーッ。
カーテンを勢いよく開く。
えっ………。雨……。
雨だったらライブは中止になる。
まだ、まだ間に合う。
ライブは昼からだから、それまでにやめばいい。
急いで階段を駆け下りて、リビングについているニュースをみる。
「うそ……で、しょ」
天気予報では今日は一日中雨。
そんな時、渓くんから電話がかかってきた。
「真琴っ、天気予報…みたか…?」
なんでか知らないけど、渓くんは息が上がっていた。
「今日、一日中雨なんでしょ…?ライブ、中止になっちゃうのかな…?」
「もう、ここは祐くんに頼むしかないな。神頼みよりもなによりも、祐くんに頼むのが一番効果的やと思う。祐くんも楽しみにしてくれてるはずや。やから、祐くんに頼もう」
「……でもどうやって…?」