私は大学に入ったら本格的なバンドに入りたかった。


その活動が一番活発な大学がここで、地域の人を招いたライブも行われる。


私の目標は、そこで歌うこと。


ギターを弾いて、隣にベースを弾く渓くんがいて…


想像するだけでもとてもウキウキする。


…祐が私に歌をくれてから、久しぶりに音が舞い降りて来た。


書き進めても音は鳴り止まなくて。


知らない間に一曲分のメロディが出来上がっていた。


それをそこで、たくさんの人の前で、空から見てる祐の前で、歌いたい。


和歌でいう返答歌。


私はそれを、祐に届けたい。



バンドを編成するにあたって、やっぱり二人では大変だなって思った。


ギター、ベースはいいにして、キーボードとドラムがいない。


どうにかして集めるしかないか…。