「祐っ!真琴、真琴だよ?わかる?」 焦りに焦っていた私はただひたすら声をかける。 「……ま、…こと…………」 酸素マスクの中からかすかに聞こえた祐の声。 「祐っ。大丈夫、大丈夫だよ…」 祐の意識はもうろうとしている。 …ただ、ずっとその目は私をみつめていた。 「看護師さん、祐のマスクを取ってあげてください。お願いします」 祐のお母さんが、看護師さんに言った。