病院に着いてエレベーターのボタンの3階を押す。
「ドキドキするなぁ」
渓くんはなんともいえない緊張を隠しきれていなかった。
ーピンポン。三階です。ドアが開きます。
扉が開くと同時に見えたのは、廊下をバタバタと行き来する看護師さん。
ここはかなり病気が重い人が入院してる階だから、看護師さんたちも忙しいんだろうと思った。
「祐くんの部屋、どこやろ?」
「うーん、広くてよくわかんないよね」
そんなやりとりをしていると、その話を聞いた看護師さんが血相を変えて近寄ってきた。
「…宮野 祐くんのお知り合いですか?」
「そう、ですけど」
「それなら…!今すぐこちらに来てください。宮野くんが…」
その先はなにも言わなかったけど、看護師さんの様子をみているだけでもただ事ではないと感じた。