見慣れない福岡の地は私の心をより一層不安にさせた。


「真琴?もうすぐ着くな。祐くん、なにしてるやろな?」


祐に連絡しないでサプライズで行こうって渓くんが言ったから、祐には連絡していない。


だから、祐がなにしてるかなんて知るわけもなかった。


…病院に着くまでは。



「祐くんの部屋は三階病棟やな。真琴、柚美、準備できてるか?」


「なんの準備よ」


柚美ちゃんが笑ってかえす。


「なにって…心に決まってるやん」


渓くんも少し心配なようで、渓くん自身が準備できてないんじゃないかって思うくらいだった。


「渓くんも、無理、しないでね?」


「真琴が心配するって、よっぽどやねんな、俺」


そう言って無理して笑う渓くんは渓くんらしくなくて。