入学した時はカウンセリングなんて私には関係ないって思ってたけど、こんな時は頼らないにはいられなかった。
「先生、実はね……」
祐の病気のこと、倒れて入院してしまったこと、ぜんぶ話したらすごく時間がかかってしまったけど、先生は最後まで優しい顔で聞いてくれたから少しだけ楽になった。
「…祐は、死んじゃうんですか…?」
保健室の先生に聞いても仕方がないことを聞いてしまった。
私の精神は不安定すぎて、もう涙が止まらなかった。
「…そうね。人間ってみんないつかは死ぬでしょ?もしかしたら明日、交通事故にあって死んじゃうかもしれない。生きていたら必ず背負わなきゃいけないリスクなの。だから、人間に寿命なんてない。みんな、平等に生きてるのよ」
「…でもっ。でも祐は病気になってしんどい思いして…」
「病気はたしかにしんどいわね。でもね、そういうときこそ、彼に生きる希望を与えてあげなきゃならないのよ。遠く離れてても、できることはなんだってある。彼はあなたのことを想って今も必死に戦ってる。…そう思わない?」