あいつは初めて会った時から変なやつだった。
気持ちの悪いほど大人びていて、まるでお前は名探偵コナンかって言いたくなるくらいそのままだった。
…見かけを無視すると。
あいつになら病気のことを言っても、普通に接してくれると思った。
ほんとに、直感で。
心がずっとそういう人物を求めてたからかもしれない。
その時俺はピンときたんだ。
こいつに話してみよう、って。
今から考えたらバカだったかもしれない。
ハイリスク、ノーリターンなのに。
でも、渓は思ってたよりもいいやつで、思春期の俺でも気やすく話せる相手だった。
俺の秘密を知ってからも、今まで通りに話してくれた。
周りにも、俺にも。
普通の人ならそんなこときっとできないんだろうけど。
かのコナンくんは制してやり遂げた。