<祐side> 「なあ、祐くん。祐くんは真琴のことどう思ってるん?」 誰もいない教室に連れて来るなり、渓は俺にそんな質問をした。 「どうって、そりぁ大切な幼なじみだけど」 「それだけ?」 「それだけってわけじゃ…」 俺は少し返事に戸惑った。 “真琴が好き” そう素直に言えればいいものだけど、俺にはそんな勇気がなかった。