…なんでだろう。


福岡に着いてから、ずっとなにかが引っかかっているような気がする。


……祐が、近くにいるような気がする。


無論そんなわけないのだけれど。


その時、私の隣に人影が見えた。


「なに考えてんの?」


渓くんだった。
気づけば、近くに柚美ちゃんも立っている。


「とっても、バカだってわかってるんだけど…。なんだか、祐が近くにいるような気がして。ほんと、バカだよね。こんなところに祐がいるわけないのに。ごめんね、あっ、ショーが始まりそうだからショープールに行こうよ」