「真琴、僕いろいろ考えたんだけど…」 二人あの日と同じように川沿いに腰を下ろしてからお兄ちゃんが口を開く。 「やっぱり、今のままじゃダメかなって思ったよ」 一呼吸おいてから、つづける。 「だから僕…横浜に帰ろうと思う」 突然の報告だった。 でも、私は驚きはしなかった。 だってお兄ちゃんならきっと、そうするだろうと思っていたから。 私と感覚が似てたから。 「お兄ちゃんなら、そうすると思ってたよ」