電気もつけず、街灯の光だけを頼りにした室内で二人話した。
たったさっき兄妹とわかったような気はしなくて、なんだか普通にお兄ちゃんだなぁって受け入れてきている私自身にびっくりした。
「ねぇ、さっき花火みてなに考えてたの?」
「ああ、あれは父さんのこと考えてた。僕、花火が苦手で」
「花火が、なにか関係あるの…?」
「父さんは、僕と花火を見てるときに倒れたんだ。身体的にもだいぶキツかったんだと思う。それでも僕と遊んで、世話してくれて。本当にいい人だったよ。でも、倒れた後の花火の散り盛る音だけはどうしても僕の中で消えないんだ」